「青原」と「日原」奴道中 津和野町文化財に指定

当屋制度が残っている点が貴重とされる青原奴道中(資料)
 津和野町教育委員会は、町の晩秋を彩る風物詩で、天満宮の祭礼で神体を護衛する儀式などを再現した「青原奴(やっこ)道中」と「日原奴道中」を町の無形民俗文化財に指定した。既に指定している「小川奴行列」と合わせ、町内で継承されている三つの行列が全て、町指定の文化財となった。

 奴行列は全国500カ所以上で伝承されており、江戸時代の参勤交代で神体や大名より前を歩く先払い役の「奴」の様子を模したものが多い。弓、鉄砲、毛やりなどを持った数十人が列を成し、長持ち唄に合わせて投げ合う所作が見どころの伝統行事として親しまれている。

 青原奴道中は、黒紋付きの羽織衣装が特徴。青原天満宮を合祀(ごうし)した青原八幡宮の祭礼に合わせ、毎年10月に披露される。神体の見守り役となる家が毎年決められるなど、防府天満宮(山口県防府市)と同様の当屋制度が残っている点が貴重とされる。

祭礼行事と参勤交代の双方の特徴が見て取れる日原奴道中(資料)
 日原奴道中は、日原天満宮の祭礼に合わせて毎年11月に行われる。見守り役も参列し、奴は羽織に前垂れを着け、大名行列の奴姿を再現しているほか、編成の列が青原奴道中と比べて多いなど、祭礼行事と参勤交代の双方の特徴が見て取れる。

 町教育委員会は、天満宮祭の要素を伝承している貴重な民俗行事として専門家に調査を依頼した。結果を基に2017年9月、町文化財保護審議会に諮問。同11月には、小川奴行列も含めた保存会3団体による初のそろい踏みも披露された。

 町教委の世良清美教育長は今回の指定に「各団体の後進育成などへの追い風とし、町の貴重な伝統行事として長く続いていけばうれしい」と期待を込めた。

2018年3月6日 無断転載禁止