世事抄録 人生の転機

 人生の転機は進学、就職、結婚とともに訪れるといわれるが、わが身を振り返っても深くうなずけるものがある。だが、全てが正しい選択だったのかは今も分からないし、自信もない。これまで人生を左右する選択に心底迷い悩んできたが、もしあの時○○だったらと、帰られもしない過去に、空想の中で思いを巡らせることが幾度もあったことを思い出す。

 今の人生は自分自身が迷いながら選択し、少しずつ積み上げてきたものの集大成であり、自己責任以外の何物でもないが、どこかに逃げ道をつくらないとやり切れない時に空想が広がっていったのだと自分で理屈づけている。

 唯一、大学進学に失敗し、絶望の中、自らの意志で親元を離れ、浪人生活を送ったことが人生の大きな糧になったことには自信がある。単身予備校の寮に入り、他の受験生たちと寝食を共にしながら試験勉強し、人生を語り合ったことは人生のさまざまな場面で役に立った。

 今まさに入試時期だが、決して浪人生活を勧めているわけではない。若い人に、身近で守ってくれる人が誰もいない環境で自分がどうやって生きていくのかを実体験することは、できるだけ早い方がよいと伝えたいだけだ。多分、皆さんにとって想像以上に厳しい現実社会が待ち受けている。そのための準備と経験は本当に大切だからね。

(雲南市・マツエもん)

2018年3月8日 無断転載禁止