輝(き)らりキッズ 卒業記念“高座”笑いの渦

青葉亭はあぶ 藤原 悠真君(島根・奥出雲高尾小6年)

町民ら前に「にこにこ寄席」

20日 松江で最後の舞台

着物姿で得意の「饅頭怖い」を演じる藤原悠真君=島根県奥出雲町高尾、高尾小学校
 テン、テテン。出ばやしとともに、高尾(たかお)小学校(島根県奥出雲(おくいずも)町高尾)6年生の「青葉亭(あおばてい)はあぶ」こと藤原悠真(ふじはらゆうま)君(12)が高座(こうざ)に上がり古典落語の「饅頭怖(まんじゅうこわ)い」を演(えん)じると、詰(つ)めかけた町民や保護者(ほごしゃ)ら100人が笑いの渦(うず)に包まれました。2月25日に同校であった藤原君を送る「にこにこ寄席(よせ)」で、藤原君は落語歴4年の集大成として、大店(おおだな)(=大商店)のけちな主人にまつわる「片棒(かたぼう)」も披露(ひろう)しました。

 高尾小学校の全校児童は9人で、小規模(しょうきぼ)校です。このため、同校では江戸(えど)の文化にふれるとともに、表現(ひょうげん)する力や人とコミュニケーションをはかる力を育(はぐく)み、多くの人と出会い交流する目的で、2013年から総合(そうごう)学習の一環(いっかん)で子どもたちが落語を学んでいます。

 上方(かみがた)の落語家・笑福亭喬若(しょうふくていきょうじゃく)さんらに教わりながら、学校で各学期に1回、定期的に寄席を開くほか、福祉施設(ふくししせつ)などに招(まね)かれ、子どもたちが出前高座を行います。

心を一つにするため、扇子を合わせる高尾小学校の全校児童9人=島根県奥出雲町高尾、同校
 ただひとりの6年生の藤原君は、3年生の時から落語を学びました。もちネタは「手水(ちょうず)回し」「狸(たぬき)のさいころ」など12演目(えんもく)。扇子(せんす)や手ぬぐいを手に表情豊(ひょうじょうゆた)かに演じることができるようになり、上達しました。卒業記念公演に向けては、2月はじめから稽古(けいこ)を重ねました。話を面白(おもしろ)くしようと、自分で変えていきます。「饅頭怖い」には、奥出雲の人気のお菓子(かし)や松江(まつえ)のお菓子のご当地ネタを取り入れる工夫(くふう)を凝(こ)らしました。

 藤原君は「稽古を続けてきた集大成として演じ、地元のお客様とふれあい、笑ってもらえて、とてもうれしかった」と笑顔(えがお)で話しました。「落語に出合えて良かった。口の動きが滑(なめ)らかになり、大勢(おおぜい)の人前で話をするトレーニングになり、勇気を持って話せるようになった」と感謝(かんしゃ)しています。

 6年生は藤原君だけなので日ごろ、落語の稽古では下級生の面倒(めんどう)をよく見て「ここは直した方がいい」などと教えてきました。運動会や音楽会などで先頭に立ってリーダーの役割(やくわり)を果(は)たしてきました。

 「にこにこ寄席」の前には、藤原君が後輩(こうはい)を集めて円陣(えんじん)を組み、扇子を合わせて気合を入れ、心を一つにするのが、高尾小学校の習(なら)わしです。3月20日には同校の「ちびっこ噺家(はなしか)」9人衆(しゅう)が松江市に招かれて、出前の寄席を披露します。「どの演目をやろうかな」。青葉亭はあぶ最後の舞台(ぶたい)が楽しみです。

プロフィル
【好きな教科】  算数
【好きな食べ物】 ご飯
【将来(しょうらい)の夢(ゆめ)】まだ分からない

2018年3月14日 無断転載禁止

こども新聞