女子ログ 舌の記憶

 以前は3度の食事がパンでも平気だった。今もパンが好きなことに変わりはないが、年齢を重ねるにつれて「やっぱりご飯とみそ汁もいいなぁ」と思うようになった。

 そこに欠かせないのが漬物だ。だが、市販の梅干しやたくあんなどは糖類や添加物が大量に使われているものが多く、買うのをためらう。シンプルな材料で作られた安心して食べられる漬物も売られてはいるが、それなりに値が張る。

 「自分で作るしかないかな」と思っていた去年6月、梅干しワークショップの開催を知り、即申し込んだ。雲南市で収穫された無農薬栽培の梅と自然塩を使った、昔ながらの梅干し作りを教わった。梅は一つ一つヘタを取って塩漬けにし、水が上がったら晴れ間を見計らって干し上げる。時間と労力はかかるが、想像していたより簡単にできた。

 あれから半年以上が過ぎた。梅干しは白く塩をふいており、見ただけでつばが出てくる。口に含むと、眉間にしわが寄るほどしょっぱくて、亡き祖母の梅干しの味を思い出した。

 思えば、いつも食卓には何かしら祖母が作った漬物や煮物があった。子どもの頃から培われた舌の記憶が、この年になって呼び覚まされたのだろう。

 面倒でもちゃんと作ってくれたものを食べてきたおかげで今の私がある。祖母の味が私を突き動かす。

(出雲市・くるみ)

2018年4月4日 無断転載禁止