仕事みてある記 出演者ら指揮、舞台つくり上げる

劇場技術スタッフ

小野(おの) 修平(しゅうへい)さん

       (松江市殿町)

出演者やスタッフをまとめ舞台をつくり上げる小野修平さん。皆の和を大切に、コミュニケーションを取り、安全に気を配りながら取り組んでいます=松江市殿町、島根県民会館
 「幕(まく)を開けてから下ろすまでの進行に権限(けんげん)と責任(せきにん)を持って舞台(ぶたい)をつくり上げます」。松江(まつえ)市殿町(とのまち)、島根県民会館の劇場技術(げきじょうぎじゅつ)スタッフ、小野修平(おのしゅうへい)さん(39)は、演出家(えんしゅつか)や出演者らが存分(ぞんぶん)に力を発揮(はっき)できるよう、舞台設備(せつび)やスタッフらを管理(かんり)して環境(かんきょう)を整える仕事に情熱(じょうねつ)を注いでいます。

 例えばミュージカル公演。予算を立てて制作組織(せいさくそしき)ができ、演目(えんもく)や演出家、配役、舞台美術(びじゅつ)家、アンサンブルなどが決まると出番です。ホールの面積に合わせて大道具や小道具など舞台セットの設定を調整します。舞台げいこが始まると、出演者やオーケストラの練習スケジュールをつくり、音響(おんきょう)・照明の調整に当たります。回り舞台や迫(せ)り、舞台上につり下げた大道具の上げ下ろしなど、ステージそでにある操作盤(そうさばん)の担当(たんとう)者への指示(しじ)―と、幅(はば)広く運営(うんえい)を担(にな)い、舞台をつくり上げていきます。

 出演者やスタッフら多いときは200人ほどをまとめます。「皆(みな)が気持ちよく働ける和が大切です。コミュニケーションをとり、安全に事故(じこ)が起きないよう心がけます」

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 広島県福山(ふくやま)市出身。「夢(ゆめ)のある、感動するものをつくり上げる仕事がしたい」と、岡山(おかやま)で10年ほど音響の仕事をしていました。そのとき、劇場スタッフに魅力(みりょく)を感じ、国家資格(しかく)の舞台機構(きこう)調整技能士(ぎのうし)(1級)と民間の第2種劇場技術者の資格を取り、県民会館で働いています。

 演劇、神楽(かぐら)などの伝統芸能(でんとうげいのう)、バレエ…。利用者にとって舞台発表は年に1、2回。皆、真剣(しんけん)です。公演にかける思いを形にしていくためになくてはならない役割(やくわり)で「演じる人と見る人の感動、情熱に触(ふ)れることができるのが魅力(みりょく)です」。年間約230公演にかかわります。

 昨年末、劇場運営を学ぶ研修(けんしゅう)でドイツを訪問(ほうもん)、劇場14カ所を訪(たず)ねました。演劇、オペラ、クラシック音楽。足を運びたくなるイベントが盛(さか)んに催(もよお)され、街中(まちじゅう)に芸術が溶(と)け込(こん)んでいました。「心が豊(ゆた)かな日本になってほしい。文化施設(しせつ)が地域(ちいき)における社会的機能を備(そな)えていけるよう、心を込めてがんばろう」と強く感じました。

 今年9月に開館50周年を迎(むか)える島根県民会館は、山陰(さんいん)地方では唯一(ゆいいつ)の回り舞台やオーケストラの演奏(えんそう)スペースも備え「実はすごい施設です。充実(じゅうじつ)した設備や音響、照明など、ステージの裏側(うらがわ)を今日から『学聞(まなぶん)』で紹介(しょうかい)します。楽しんでください」


★メッセージ

 やりたい仕事が見つかっている人は少ないし、やりたいことと職業(しょくぎょう)が一致(いっち)しないことも多いと思います。でも何かやってみると楽しくなることもあります。少しでもいいところが見つかったら、大事にしていくことが大切だと思います。何の仕事でも怒(おこ)られることはありますが、成長を願ってのことだと思っています。

2018年4月4日 無断転載禁止

こども新聞