世事抄録 モリカケ事件の底流

 森友問題は常識外れの公文書改ざんにまで発展し、以前から指摘している「日本の崩壊」を裏付けてしまった。だが相次ぐ無謀な原発再稼働に見られるように、この国の統治システムと精神は巨大地震で福島原発が暴走した<3・11>から決定的に壊れている。あの日の夕方に発せられた原子力緊急事態宣言は7年を経た今になっても解除されていないのだ。

 その事実と意味が多くの国民に理解されないまま、チェルノブイリ事故が教える潜在的な内部被ばく、放射線障害の多発期に突入してしまっている。千葉県北部在住の叔父が4年前に突然死したこともあって、最近頻発する有名人の早すぎる死に疑念がわく。

 緊急事態宣言を取り上げるマスコミは少ないが、簡単に言えば放射線管理区域(汚染基準値が1平方メートル当たり4万ベクレル=年間被ばく量1ミリシーベルト)の制限をほごにした点が特に重大だ。東京の一部も6万ベクレルを超える。加えて放射線管理区域の中でも表面汚染40万ベクレルを超える物体に触れるのは厳禁なのに、帰還困難な60万ベクレル近い町村に人々を戻している。非常事態ゆえに「年間被ばく量20ミリシーベルトまで我慢せよ」という強制が生きているからである。

 こういう悪事を仕方ないこととし、果ては忘れてしまう国民性がモリカケ事件の底流にある。改ざんは何も文書ばかりではない。

 (松江市・風来)

2018年4月5日 無断転載禁止