世事抄録 禁煙人生もまた楽し

 誰しも経験があると思うが、小生、小学校6年のとき、父親のロングピースを盗み取って吸ってみた。初めてたばこを吸ったとき、たいていの人は、クラクラしたり、吐き気がしたりするが、小生は平気だった。たばこに強い体質なのかもしれない。

 20歳になると(本当は18歳・大学生で)本格的に喫煙を始めた。キツめのショートホープを一日20本くらい吸った。本数では、さほどのヘビースモーカーではなかったが、禁煙しようとはまったく考えなかった。

 しかし、45歳ごろ、突然禁煙しようと思った。肺がんになりたくなかったからだ。決断したその日からピタリとやめ、61歳の今日まで1本も吸っていない。自分でもなぜ、こんなにあっさりと禁煙できたのか不思議だったが、最近小生の心境に近いことが書いてある本を見つけた。それは、アルコール依存症一歩手前のある文化人が、断酒に成功した体験を記したものだ。彼いわく、我慢で断酒はできない。酒を飲まない人間として自分を再構築する知性を持つ必要がある、と。

 酒とたばこは違うし、小生はこんな高尚な考えで禁煙したわけではないが、「吸わない人生を経験するのもいいかな」と思ったことは確かで、彼の言わんとすることはよく理解できる。禁煙に苦しんでいる方は、このように考えてみてはいかがでしょう。

(島根県津和野町・柊)

2018年4月26日 無断転載禁止