出雲西高インターアクトクラブ 「奉仕」と「環境保全」柱に

 「出雲西高等学校インターアクトクラブ」は、「地域社会への奉仕」と「国際理解」を柱に1966年に設立され、今年で52年目を迎えます。この間、21世紀に入ったのを契機に、2001年には「環境保全活動」も活動の一環として取り入れました。40年前から行っていた海岸清掃を一歩進め、海をきれいにするには川を、川をきれいにするためには森を、という考えで、海、川、森の保全活動を一体化させました。現在35人の部員がこれらの活動に精力的に取り組んでいます。

 今回は(1)海岸清掃(2)日韓交流会(3)フィリピン研修(4)保育園児との交流会(5)学校紹介-の項目に分けて、クラブの活動を紹介したいと思います。(原優美子)


活動通じ国内外で交流

出雲市大社町のひろげ浜で海岸清掃を行う日韓の中高生
 「出雲西高インターアクトクラブ」は、出雲ロータリークラブが、ロータリーの理念に基づき、出雲西高の生徒に奉仕を行う機会を与えるために結成した組織です。現在(1)地域社会への奉仕(2)国際理解(3)環境保全活動―を三本柱に掲げ、活動しています。

 「地域社会への奉仕」では、障がい者施設や老人ホームの花植えをしたり、クリスマス会を開いて利用者の方と一緒に交流を楽しんだり、月1回、施設での喫茶店も運営しています。

 「国際理解」では、韓国の高校生と海岸清掃を行い、海洋ごみについての討論会を行っています。また、フィリピンへ行って国の実情を知り、貧しい子どもたちに金銭的援助と文房具の支援をしています。

 「環境保全活動」では、EMという微生物を使い、赤川や北島国造家の池の浄化にも取り組んでいます。赤川ではホタルが、北島国造家の池ではコイが泳ぐ姿が見られるようになりました。また、地球温暖化防止のためにNPO法人「もりふれ倶楽部」の方たちと森林を豊かにするため、間伐や枝打ち、植林なども行っています。

 このほか、神戸川漁協の皆さんとサケのふ化にも取り組み、今年3月には1500匹の稚魚を神戸川に放流しました。また、無耕作地を開墾し、子どもたちとイモ類や野菜を収穫し、調理して楽しんでいます。

 今までの業績が認められ、本年、読売新聞社主催「高校生小論文コンクール」グループ部門で優秀賞、また、フジサンケイグループ主催の「地球環境大賞」では奨励賞を受賞することができました。

 今後は、海洋汚染の原因の一つになっているマイクロプラスチックの問題にも取り組んでいきたいと思っています。(鳥屋尾柊貴)


海洋ごみ討論会
 日韓生徒 解決策探る

隠岐郡海士町の海岸に漂着した海洋ごみ
 昨年の7月、日本と韓国の生徒たちで海洋ごみに関する討論会を行いました。

 海洋ごみとは、海の上や海岸にあるごみのことを言い、大きく分けると(1)漂流ごみ(2)海底ごみ(3)漂着ごみ-の3種類に分けられます。海洋ごみを生み出す原因はさまざまであり、海や海岸に直接捨てられたり、陸上に捨てられたごみが海に流れ出たりしたものなどがあります。

 このうち、特に漂着ごみが問題になっていますが、調査によれば、日本全体の漂着ごみの量は年間19万トン、容積にすると約63万立方メートルで、東京ドームの2分の1に当たり、このうち、10%ほどが外国からのものだそうです。島根県の場合は60%が韓国、北朝鮮、中国から漂着したもので、これらの処理費だけで年間1億円もかかるそうです。

 種類はプラスチック類が最も多く見つかっています。プラスチックはなかなか分解されないため、海の生物への影響や自然破壊が心配されています。また、プラスチックや発泡スチロールの製品は割れたりばらばらになったりしやすく、回収が難しいことが問題となっています。

 今回の日韓交流での話し合いでは(1)ごみのポイ捨てをしない(2)海や川、身近な場所をきれいにしよう(3)海岸ごみに関する調査や学習に参加して考えよう(4)ごみの問題をみんなに広めよう-などという意見が出ました。(影山雨音)


韓国の生徒と交流
 積極性に刺激受ける

交流会で、海洋ごみをテーマに意見交換する日韓の高校生たち
 日韓の高校生交流会に参加して、韓国の生徒たちについて気付いた点が三つありました。

 まず一つ目は「積極性」です。出雲西高の調理室で日韓の料理を作りました。私たち日本人はレシピを見て分量通りに調理をしましたが、韓国の生徒たちには迷いがなく、分からないことはすぐに聞いてきました。グローバル化が進む現在、この積極性はとても大切だと思いました。

 二つ目は「思いやりの心」です。食事をした後、日韓の海洋ごみについて討論会を行いました。その際に、韓国の生徒たちは「今の意見、分かりましたか」と何度も私たちに気を遣ってくれ、メモを取っていると、書き終わるまで待ってくれました。

 三つ目は、海洋ごみに対して一人一人がしっかりとした意見を持っていることです。海洋ごみについて、何が問題なのか、解決策はあるのか、自分たちにできることは何か、ということをディスカッションしました。

 その際に、私たち日本人はあまり多くの意見を言うことができませんでした。しかし、韓国の生徒たちは意見を韓国語で紙に書き出し、それを日本語のうまい生徒が私たちに伝えてくれました。私たちと違った意見もあり、北東アジア全体の環境問題として考えた意見でした。

 私は、ごみの問題はグローバルな視点で考えるべき問題だと認識しました。韓国の生徒の積極性、論理性に触れ、とても充実した交流会となりました。(山田実果)


フィリピン研修
 幸福分かち合う姿に感動

フィリピン研修で街中のごみの様子を視察する部員たち
 私は昨年の夏、フィリピンの首都・マニラ市にボランティア活動に行きました。高層ビルが建ち並ぶ大都会の裏側にはスラム街があり、貧富の差が歴然としていました。

 パヤタスというアジア一のごみ捨て場には、ごみを拾って生活をしている人たちの家がたくさん建っていました。住居はバラックのようで、台風が来たら吹き飛んでしまうような家ばかりでした。家の周囲にはごみが散乱し、とても不衛生で悪臭が満ちていました。

 しかし、こんな悪い環境の中でも、子どもたちはとても元気で、笑顔がすてきでした。そして、瞳はキラキラ輝いていました。

 私たちボランティアは、弁当や私たちが集めた文房具を一人20キログラムずつ持って、貧しい子どもたちが通う小学校へ行きました。弁当を持って行くととても喜んでくれるのですが、少しだけ食べてすぐにしまってしまいました。これは自分だけ幸せになってはいけない、持って帰って家族と一緒に食べるということなのだと初めて知りました。

 どんなに貧しくてもみんなと幸福を分かち合うという、素晴らしい考えに私は感動しました。マニラの街には貧しい人がたくさんいますが、皆、貧しさに負けず一生懸命に生きています。また、家族同士が助け合う姿勢や相手を思いやる心に、私はたびたび涙を流しました。フィリピンには人間の原点の“愛”があると、心の底から思いました。(齋藤耀)


西高ふれあい農園
 園児とイモ掘り 自然愛する心育む

「西高ふれあい農園」で保育園児と一緒にサツマイモ掘りをする部員たち
 私たち「出雲西高校インターアクトクラブ」は、出雲市大社町にある無耕作地を開墾し、「西高ふれあい農園」と名付け、保育園の子どもたちと交流しています。昨年も秋晴れの下、その農園で出雲サンサン保育園の園児34人とクラブ員13人で、私たちが植えたサツマイモ300本のイモ掘りをしました。

 当日はNPO法人「もりふれ倶楽部」の竹田正彦先生(60)の「イモについてのお話」を聞いたあと、園児と私たちがペアになり、イモ掘りを楽しみました。合計600個のイモが土の中から飛び出し、園児たちは歓声を上げていました。

 その後、竹田先生の指導でたき火をし、焼きイモを作りました。園児たちが「畑でイモ掘りをし、そこで焼きイモをして食べるのが夢だった。夢がかなってうれしい」と喜んでいる姿はとてもほほえましく、保育園の先生たちと私たちは、イモ掘りと焼きイモを続けて行って本当によかった、と思いました。

 焼きイモは食べきれないほどあり、保育園に持ち帰って食べ、その後、レクリエーションをして楽しみました。

 高校生と保育園児の触れ合いは今後も継続し、世代は違っても共に自然を愛する心を培ってもらうよう努力していきたいと思います。(岩浅智大)


学校紹介
  個性あふれる3コース

 出雲西高校には特別進学、福祉、ビジネスの三つのコースがあります。

特別進学
 特別進学コースでは、生徒個々の目標に応じた、きめ細かい指導が受けられます。また、テレビコマーシャルにも出ている有名な予備校の先生と本校の先生がコラボする課外講座や英語検定対策講座など、他校にはない学びの場もあります。

福祉
 福祉コースでは、社会の一員として、身近な諸問題に関心を持ち、その解決に取り組む姿勢や力を身に付けられるよう学んでいます。2年生になると、介護・保育・環境の三つのコースに分かれ、学びを深めます。施設実習やフィールドワークなど、体験型の授業も充実しています。

ビジネス
 ビジネスコースでは、企業での会計処理や、コンピューターソフトを活用するための知識や技術を学びます。簿記や情報処理検定の合格に向けて、先生方の手厚いサポートを受けることができます。普通科目の授業もしっかりあるので、幅広い進路選択ができます。

 部活動には運動部と文化部がそれぞれ12ずつあり、意欲的に活動しています。

 毎日の学習や部活動の取り組みを通して、未来の社会に貢献できる人間として成長できるよう、私たち西高生は頑張っています。(村本菜摘)


編集後記

紙面編集に携わった部員たち
 今回は「出雲西高インターアクトクラブ」について紹介させていただきました。クラブの歴史をたどってみると、創部52年という長い歴史の重みを感じることができました。例えば海岸清掃についても、クラブの先輩たちが40年も前から行っていたという事実がありました。そこで、私は“温故知新”という言葉を思い出しました。古い歴史を訪ね、そこから新しい意義を見いだす。私たちは過去の良いものを大切にし、さらに新しい活動に挑戦するという意欲を持ち、努力の歩みを進めて行きたいと思います。(三原ほのか)

2018年4月26日 無断転載禁止

こども新聞