仕事みてある記 患者や高齢者に寄り添い体の機能回復を手助け

理学療法士

 岩崎(いわさき) 琢己(たくみ)さん

    (安来市汐手が丘)

「患者さんの喜び、悲しみに寄り添うのが理学療法士の仕事」と語る岩崎琢己さん=安来市安来町
 「けがや病気で体が不自由だった人が元気を取り戻(もど)し、笑顔(えがお)になってもらえた時が喜び」。安来(やすぎ)市内の介護(かいご)老人保健施設(ほけんしせつ)で理学療法士(りがくりょうほうし)として働く岩崎琢己(いわさきたくみ)さん(32)=安来市汐手(しおて)が丘(おか)=は、病院の入院患者(かんじゃ)や退院(たいいん)後に施設や自宅(じたく)で暮(く)らす人たちの機能回復(きのうかいふく)、健康維持(いじ)に取り組んでいます。

 理学療法士は、頭の病気で体半分がまひして動かなくなったり、事故(じこ)で手足の骨(ほね)を折(お)ったりするなどして体に障害(しょうがい)や不自由さが残る人や、体の動きが衰(おとろ)えて思うように立ったり、座(すわ)ったりができなくなったお年寄(としよ)りなど患者にリハビリテーションを行い、元の生活に近づけるよう手助けするのが仕事です。

 ウオークマシンや平行棒(へいこうぼう)、筋肉(きんにく)をつけるマシンにウオーターベッド型の全身マッサージ器、練習用の階段(かいだん)といったいろいろな種類の器具が置かれたリハビリ室。岩崎さんは、筋トレマシンで屈伸(くっしん)運動を繰(く)り返す男性(だんせい)患者に「足を伸(の)ばして」「重(おも)りが重すぎることはないですか」と、声を掛(か)けながら見守ります。「部活動でけがをした人をみることも多いですよ」

 「リハビリには、筋肉トレーニングやストレッチの『運動療法(りょうほう)』と温熱(おんねつ)や電気治療(ちりょう)で痛(いた)みを和(やわ)らげる『物理(ぶつり)療法』があります」と岩崎さん。体の具合(ぐあい)が一人一人違(ちが)うため、岩崎さんたち理学療法士は、医師(いし)の指示(しじ)を受けながら作業療法士や看護師(かんごし)などほかの専門(せんもん)の人たちとチームワーク良く、その人に合った運動を行っています。

 岩崎さんが理学療法士になろうと思ったのは、安来高校3年生の時。バレーボール選手としてインターハイや春高(はるこう)バレーに出場し、「将来(しょうらい)はスポーツにかかわる仕事をしたい」と思っていた頃(ころ)、大会直前の練習で足首をねんざしたチームメートが、理学療法士のおかげで出場できるようになったのがきっかけで、「自分もけがをして困(こま)っている人を助けられたら、と思いました」。高校卒業後は、浜田(はまだ)市にある専門学校で学び、国家試験に合格(ごうかく)して故郷(こきょう)にある社会医療法人昌林会(しょうりんかい)安来第一病院に就(しゅう)職(しょく)。今春、同じ昌林会が運営(うんえい)する介護老人保健施設「昌寿苑(しょうじゅえん)」に仕事場が移(うつ)りました。

 施設内での仕事のほか、仲間の理学療法士とともに休日を利用して地域(ちいき)でも活動する岩崎さん。「医療の進歩とともに、常(つね)に新しい情報(じょうほう)や知識(ちしき)を身に付け、自分を磨(みが)いていきたい」と張(は)り切っています。


★メッセージ
 接(せっ)する人たちは脳梗塞(のうこうそく)で半身不随(ふずい)になったり、骨折(こっせつ)や肉離(にくばな)れをしたりと、さまざま。立つことができなかった人が「立てた」と笑顔で話された時はうれしく、リハビリの途中(とちゅう)で姿(すがた)が見られなくなった時は、自分の力不足かなと思うこともあります。患者さんの喜び、悲しみに寄(よ)り添(そ)っていくのが仕事であり、やりがいです。

2018年5月2日 無断転載禁止

こども新聞