クローン技術で浮世絵 再現 江津中で宮廻氏講演

クローン技術で再現した浮世絵を生徒に紹介する宮廻正明氏(右)
 再興第102回院展(日本美術院、今井美術館、山陰中央新報社主催、江津市、同市教育委員会共催)が12日、島根県江津市桜江町川戸の今井美術館で開幕する。11日は出品作家で日本美術院同人の宮廻正明氏(67)=松江市出身、東京芸術大学名誉教授=を招いた講演会が同市江津町の江津中学校であり、3年の生徒ら約80人が、貴重な文化遺産を最新技術を駆使して復元する「クローン文化財」について学んだ。

 宮廻氏は東京芸大の研究リーダーとして、デジタル撮影や科学分析などと、伝統的な手作業による彩色を融合させ、実物の色合いや質感を再現する技術を開発。2018年度の文部科学大臣表彰の科学技術賞にも輝いた。

 タリバン政権により破壊されたアフガニスタンのバーミヤンの壁画や浮世絵など、クローン技術で再現した実例をプロジェクターで映し出しながら、宮廻氏は「デジタルとアナログの融合で、今まで不可能だと思われていたことが実現できた。未来へと文化を継承する力になりたい」と述べた。

 聴講した土井菜々子さん(14)は「最新技術を使って浮世絵などを復元する技術はとても興味深かった」と話した。

 再興院展は、日本美術院同人らの秀作67点を展示する。12日は午前10時から開会式があり、式後には宮廻氏らが自作に込めた思いやエピソードを紹介するギャラリートークを行う。6月3日までの会期中は無休で開館する。

2018年5月11日 無断転載禁止