チベット探検先駆者 学僧・能海寛の生涯たどる 浜田の資料館

チベット探検に向かった能海寛が中国から送ったすずりや石板
 チベット探検の先駆者で浜田市金城町出身の学僧・能海寛(ゆたか)(1868―没年不詳)の生誕150年記念企画展「能海寛の目指した世界平和」が、同町波佐の金城歴史民俗資料館で開かれている。英語を極め、世界平和のために仏教を広めようとした能海の活動への思いや生涯を、パネルと貴重な資料で伝えている。2019年3月末まで。

 能海は同町長田の浄蓮寺に生まれた。1886年に京都西本願寺の普通教校に入学し、向学心に燃えて英語漬けの日々を送った。今回の企画展では、英語に秀でた能海の成績表をパネルで掲示。在学中に「英文会」という組織を設け、英語の機関誌「ニューブッディスト(新仏教徒)」を発行するなど英語習得と情報発信の取り組みも紹介している。

 背景には、仏教を英語で世界に広めたいという能海の強い意志があり、当時、サンスクリット語の原典に最も近いとされたチベット大蔵経の英訳を目指した夢が資料から読み取れる。音信不通になるチベット探検で日本に送ったすずりや石板、仏像のレリーフなどの実物も併せて展示している。

 同資料館の隅田正三館長は「仏教を広め、戦争のない世界を目指した能海の生き様を見に来てほしい」と話す。同資料館は原則土曜日と日曜日の午前9時から午後5時まで開館。入館料は大人300円、中学生100円、小学生60円。

2018年5月22日 無断転載禁止