特派員便り すごかった「地元びいき」

スタンドで地元選手に声援を送る人たち。これほどまでの地元びいきは他の四大大会では見られない=パリ
 やはり「地元びいき」はものすごかった。錦織圭選手の2回戦。センターコートのフィリップ・シャトリエは、相手のブノワ・ペール選手への応援で盛り上がった。

 主審の制止を無視し続けて応援するスタンド。4度目の取材ともなれば、その光景を当たり前に感じてしまうから、慣れは怖い。

 盛り上がりには伏線があった。前の試合で、フランスの選手がシード選手をフルセットの末に撃破した興奮が残っていた。

 「頑張れ、錦織」という日本語の声援はかき消され、第5セットは「アレ!(頑張れ)」といった掛け声やブノワコールが至る所で上がる。

 コートチェンジではウエーブが起き、選手が試合を始めようと位置についてもやめる気配がない。ようやく収まっても次は拍手だ。錦織選手は「(応援の割合は)0対10でした」と振り返ったが、見事に逆転勝ちした。

 再びトップ10への返り咲きを目指す上で、完全アウェーのセンターコートで初めてフランス人選手を破った精神力を頼もしく感じる。

2018年6月2日 無断転載禁止