イ号救助の史実を継承 和木地区でロシア祭り 児童が物語を群読

イルティッシュ号の物語を群読する児童
 日露戦争中に江津市沖で沈没したロシア艦隊の輸送船「イルティッシュ号」(イ号)の乗員を住民らが救助した史実が残る、同市和木町の地域コミュニティ交流センターで10日、恒例のロシア祭りが開かれた。地元の小学生によるイ号の物語の群読やロシア人留学生との交流を通じ、国境を超えた先人の人類愛に思いをはせた。

 イ号は1905年5月、日本海軍の砲撃を受けて同町沖で航行不能となり、住民らは避難してきたけが人を含む200人以上の乗員を助け、介抱した。

 先人の人道的な活動を顕彰しようと毎年、地元で集いが開かれている。

 この日は、地元にある高角小5年の児童34人が、史実を基に創作した約15分間の物語を代わる代わる朗読。敵国のロシア兵を救助した勇気ある行動や、人類愛の尊さを来場者に伝えた。同小の山崎蕾(つぼみ)さん(11)は「地元の歴史を多くの人に伝えられてよかった。これからも後の世代に残していきたい」と話した。

 会場では、県立大のロシア人留学生との交流会もあり、参加者が友好の輪を広げた。

2018年6月12日 無断転載禁止