ボクシング 東洋太平洋王座奪取 三代 鋭いジャブで主導権

6回、力強い右ストレートを浴びせる三代大訓(右)=ディファ有明
 ボクシングの東洋太平洋(OPBF)スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦が20日夜、東京・ディファ有明で行われ、同級11位の三代大訓(ワタナベ、松江市出身)が、王者のカルロ・マガレ(フィリピン)を2-1の判定で下し、新王座に就いた。

 三代は5回までは力強いパンチに押されたが、6回に左ジャブで相手のリズムを崩し、右アッパーと左ボディーで体力を奪った。その後は鋭い左ジャブを効果的に当てて主導権を握り、終盤は疲れが見えた相手のパンチが大ぶりになった隙を突き、ポイントを重ねた。

 昨年3月のプロ転向後、1年余りで初挑戦となった12回戦のタイトルマッチを制し、異例のスピードでチャンピオンとなった。プロデビューから無傷の6戦全勝(2KO)とした。

 2度目の防衛戦で王座から陥落したマガレは36戦23勝(12KO)10敗3分となった。


 ▽東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦
三代 大訓   判定   カルロ・マガレ
(ワタナベ)       (フィリピン)
58・9キロ       58・9キロ

攻め続け判定勝ち

 5回中盤、チャンピオンの突き刺さるようなアッパーとボディーのコンビネーションをもろに受けた。プロで初めて試合中に意識が飛び、「やばい」と諦めかけた。ここで吹っ切れた。6回に左ジャブで中間距離を保つ基本に立ち返り、反撃ののろしを上げた。

 6回開始直後は劣勢のままだったが「集中でき、周りが見えていた」と冷静さを取り戻し、前のめりの王者の顔に左ジャブを突き刺した。試合開始から顔に浴びせ続けたことが奏功し、ラッシュと足を止めた。隙を見逃さず、ジャブで距離を取り、アッパーやボディーで攻め続けた。

 過去、タイトルとは無縁。松江工高3年時は全国高校総体ライト級8強、中大時代は右肘のけがで1年以上ブランクがあり、結果が残せずに不完全燃焼に終わった。

 「勝ちたい。頂点に立ちたい」との一心でプロ転向を決断し、訪れた大きなチャンス。「チャンピオンとの1対1」に集中しながら、最後まで体を動かしたのは初タイトルへの渇望だった。

 判定勝ちが決まった瞬間、右手を固く握りしめた。「もっと強くなれる。世界を目指す」と力を込めた。

2018年6月21日 無断転載禁止