大量相続時代が来る

 空き家の急増が近い将来、大きな社会問題になるという。団塊の世代が75歳以上に達する「2025年問題」を背景に大量相続時代が到来。団塊の世代の実家相続に加え、団塊ジュニア世代の実家の相続も増える。「時限爆弾を抱えている」と警告する専門家さえいる▼田舎にある実家の始末を考えないといけないし、自分が郊外に建てた家の心配もあるとの話を既によく聞く。田舎に田畑があって、都会に出た子どもたちが結婚しているケースが多い▼空き家は5年前の調査で全国に820万戸。住宅の13.5%になる。4月に脱走囚の逃走劇があった広島県尾道市の向島にも空き家が約千軒あり、捜索が難航した。島の広さは約22平方キロ。境港市の4分の3くらいだ▼山陰両県も賃貸や売却用、別荘を除いた空き家の比率は全国でも高い方。問題が深刻なのは5年前の時点で65歳以上だけで住む一戸建てが全国で720万戸、4軒に1軒の割になった点。「空き家予備軍」だという▼3年前に特別措置法が施行され、倒壊などの恐れがある「特定空き家」の対応や「空き家バンク」の運用などが始まった。が、効果はまだ限定的。自治体では、専門家を交えた民間組織で空き家の管理まで請け負う山形県鶴岡市などの取り組みが話題になる▼ただ対応は難しい。年数がたつほど家は傷む。更地にするには費用がかかる。固定資産税が絡む損得勘定も働く。結果、使うめどが立たない限り放置されやすい。町の「スポンジ化」を防ぐ知恵を絞りたい。(己)

2018年6月25日 無断転載禁止