符号化が進む

 郵便番号が導入されてから1日で50年になる。既に始まっていた電話の市外局番に続き、地域ごとに番号が振られた。それまでは、覚える番号は住所の番地と電話番号にプロ野球選手の背番号くらい。キャッシュカードが出る前で暗証番号も必要なかった▼郵便番号は、最初は洋数字の3桁か5桁。その後、今の7桁になった。煩わしさはあるが、その効果か配達遅れの心配はなくなった。ただ、時代とともに手書きの郵便物は減少。手紙の代わりにメールで済ませる機会も増えている▼パソコンやスマートフォンが普及し、文書類は縦書きではなく横書きが主流になった。文字も「書く」から、選んで「打つ」か「タッチする」に。同時に数字の表記は漢数字が減り、洋数字が中心になった。縦書きの新聞も約9年前からはほぼ洋数字だ▼IT社会の到来とともに幅を利かせるようになった洋数字だが、中高年には辛(つら)い一面もある。端末が記憶している電話番号やメールアドレスは覚えなくて済む半面、ID(識別符号)やパスワードが増える。洋数字とアルファベットや記号の組み合わせだ▼先日、発表されたサラリーマン川柳の入選作にも「減る記憶 それでも増えるパスワード」があった。IDやパスワードを一覧表にしたいが、もし落としたらとも思う▼おまけに12桁の数字が並ぶマイナンバーまで増えた。郵便番号と違い、こちらの方は今のところ役立っているとの実感はない。人間の符号化が進めば、本当に暮らしやすくなるのだろうか。(己)

2018年7月1日 無断転載禁止