特派員便り 10度目の戦い 膨らむ期待

打球音が響き、初夏の日差しに照らされる聖地。錦織にとって10度目の戦いが幕を開ける=ウィンブルドン
 6月30日の現地時間夕刻、テニスの聖地に着いた。2年連続のウィンブルドン取材。オレンジの日差しが照りつける中、「パコン、パコン」と乾いた打球音が心地いい。

 初の海外出張だった前回大会は緊張で気持ちに余裕がなく、あっという間に過ぎた。

 今年は空港の入国審査や会場の報道受け付けを、拙い英会話ながら難なく突破した。たった1回経験しただけでも胸の鼓動は緩やかで、頭も冷静。すれ違う外国人記者に会釈し、会場を探索した。

 右手首のけがから復活した錦織にとって、10度目のウィンブルドン選手権が間もなく開幕する。四大大会で唯一8強入りがないが、年々芝の感触をつかんでいる。

 「自分を成長させてくれる大会」と錦織。今年は過去3年苦しんだけがの不安が少ない状態で臨める。青々としたコート上で軽快に動く日本人エースの活躍に期待を膨らませつつ、地に足をつけて取材に取り組もうと気を引き締めた。

2018年7月2日 無断転載禁止