邑南・上口羽に手作りあずまや完成 観光客もてなしへ

川角集落に手作りしたあずまやで談笑する若者と地元住民たち
 春に色鮮やかなハナモモ約2350本が咲き誇り、多くの観光客が訪れる島根県邑南町上口羽の川角(かいずみ)集落に、休憩場所となるあずまやが完成した。松江市などの若者有志が集落を応援するために販売したグッズの収益を活用。地元住民と集落外の若者たちが思いを一つにして、観光客をもてなす施設を手作りした。

 高齢化率が100%となっている8世帯12人の小さな同集落は「天国に一番近い里」として、ハナモモ植栽で地域おこしに取り組んでいる。住民たちの熱心な姿に感銘を受けた20~30代の若者約20人が2017年春、「テンモモプロジェクト」を結成。インターネットのクラウドファンディングで集めた資金を使い、おちょこや前掛けなどを製作し、集落で行われた「花桃まつり」で販売した。

 収益は、集落の住民が希望したあずまや建設に充てることにした。プロジェクトに参加した公務員石倉達也さん(24)=松江市八雲町西岩坂=が今回の建設作業の参加者を募ったところ、県内に住む20代の社会人と大学生の計9人が手を挙げた。集落でハナモモがよく見える場所に、高さ約3.5メートル、幅約4メートル、奥行き約3メートルの建物と、ベンチ3台を設置することに決めた。

 参加者は6月30日、7月1日の2日間、木材を切り、組み立てた。慣れない作業に苦労したが、地元住民が丁寧に教え、世代を越えて交流した。07年にハナモモを使った地域活性化を始めた川角集落の日高忠正さん(83)は「若い人たちが来てくれたからできた。集落だけでは無理だったので、ありがたい」と感謝した。

 石倉さんは「地元の人が望んだことを実現できた。多くの人にあずまやを利用してもらえればうれしい」と、来春のハナモモ開花時期に集落がにぎわうことを願った。

2018年7月2日 無断転載禁止