世事抄録 においの不思議な力

 過日、本紙に女優市川実日子さんのエッセー「匂いの持つ不思議な力」が掲載された。文章の中で「五感のうち、嗅覚だけが記憶や感情などをつかさどる脳に直接情報を伝える」とテキストに書かれていたとの記述があった。においに敏感だと思っている自分にとっていろいろ思い当たることがあり、大変興味深く読んだ。

 敏感だからこそ自分にとって心地よい匂いと不快にさせる臭いがあり、それが自らの感情に直結し、日常生活の中でかなり影響を受けていることが思い起こされた。中でも私が苦手なのが女性のきつい香水の匂い、逃げ場のない場所で相手の方とご一緒しないといけないとそのうちに頭が痛くなってくる。もう少しすてきな匂いのまとい方を身に付けていただきたいと切に希望する。そしてたばこの臭い、これもダメなにおいの一つだ。

 一方、記憶をたどると良い匂いはいろいろある。季節を感じさせてくれるキンモクセイの匂い、そして何よりおいしい食べ物の匂い、なんでカレーの匂いはあんなに日本人を引きつけるのか。さらに大好きな人の匂いなどだ。

 においはさまざまな記憶やその時の感情と直結しているのだと改めて実感できる。これからもさまざまなにおいとお付き合いすることになると思うが、できるだけ気持ちが安らぐ、そして、わくわくするような匂いと一緒に居られればと願っている。

 (雲南市・マツエもん)

2018年7月5日 無断転載禁止