レッツ連歌(下房桃菴)・7月12日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 真夏に降ってほしい大雪

留袖をあつらえたけど世は変わり(浜田)佐々木わこ

空前の大豊作になるでしょう  (米子)板垣スエ子

ストーブはまだかたづけないで置いてある

               (益田)吉川 洋子

全国のペンギン毎年願をかけ  (益田)可部 章二

もったいない国道脇の装着場

            (兵庫・明石)折田 小枝

もしかして奇抜な俳句詠めるかも(雲南)妹尾 福子

泳げぬ子プール閉鎖に期待かけ (雲南)錦織 博子

ぜったいに行きたくはない肝試し(江津)花田 美昭

白熊と月の輪熊がダンスする  (松江)田中 堂太

大量に青いスコップ売れ残り  (松江)川津  蛙

どうかして熊の冬眠長びかせ  (川本)高砂瀬喜美

編みかけのセーターやっと完成し(益田)黒田ひかり

ジイバアのタンスの中はゴッチャマゼ (益田)兼子 哲彦

作文の題名だけは褒められて (沖縄・石垣)多胡 克己

東京で冬の五輪もできるかも  (出雲)吾郷 寿海

念願のハスキー買った独り者  (松江)水野貴美子

通年で営業めざすスキー場   (江津)森下 俊武

お願いが叶えば受けるプロポーズ(松江)岩田 正之

難題をまた投げかけるかぐや姫 (出雲)栗田  枝

親バカは球児気づかう甲子園  (浜田)勝田  艶

半袖のサンタが街にやってくる (東京・八王子)藤江  正

シャンシャンはなんでこんなにかわいいの (米子)板垣スエ子

バーゲンでやっと毛皮のコート買い (江津)花田 美昭

とっときのビキニで砂丘スキーする (益田)吉川 洋子

ノルディックウォークばかりじゃすぐに飽き (松江)安東 和実

ハワイから友達が来る夏休み  (飯南)塩田美代子

恋人を足止めしたい盆休み   (松江)澄川 克治

ソダネーと妻はいつもの生返事 (松江)岩田 正之

やれ海だ山だ川だと連れ出され (雲南)妹尾 福子

宍道湖の西空染めて陽が昇り  (美郷)吉田 重美

   ◇

 雪は豊年の瑞(しるし)と申します。真夏に降れば、大々豊作?

 奇抜な俳句は詠めるかもしれませんが、季語はどうします、福子さん。

 ふつうスコップは金属製ですが、「青いスコップ」はプラスチック。形も独特で、夏には使い道がありません。…頭抱えるホームセンター。

 セーターといえば、思い出すのはやっぱりあの歌。でも、ひかりさんの場合は、「暑さこらえて編んでます」―。やっと完成しても、「着てはもらえぬ」こと、請け合いです。

 「やらずの雨」ということばがありますが、「やらずの雪」も十分ありうる。車社会の現代なら、むしろ、このほうがピッタリかも。

 真夏に雪が降るくらいなら、西から陽が出ても不思議じゃない? ナンセンスな前句をさらにナンセンスな付句で受けたのは、重美さんのお手柄。うっかりしてると、すごくきれいな句のように見えるところが、またおもしろい。

   ◇

 次の前句は、

  ボケているのかトボケているのか

 まだ朝飯を食ってない、などというのは、おそらくボケているのであって、淋しいことではあるけれど、いずれだれしも通る道。トボケかたには、人それぞれに個性があります。

 付句は五七五の長句。

   (島根大名誉教授)

2018年7月12日 無断転載禁止

こども新聞