「阿須那式製炭法」を復活 邑南・阿須那小児童が作業体験

窯の中に木を詰める児童たち
 島根県邑南町阿須那地区に伝わる製炭法を再現した炭焼きに、地元住民たちが取り組んでいる。森林活用と地元産業の継承を目的にした、地区を挙げたプロジェクト。炭質に優れた「阿須那式製炭法」を復活させ、木材の有効活用による地域活性化を目指す。12日には、阿須那小学校(邑南町阿須那)の児童が炭窯を訪れ、作業体験を通して地域の伝統への理解を深めた。

 同地区では昭和初期から、地元に住む兄弟が考案した、羽子板のような形で煙突が3本ある阿須那式の炭窯が広がった。出来上がる木炭は固く、火持ちがいい特徴があり、昭和40年代まで盛んに行われていたという。

 同地区は、公民館単位で取り組む町の地区別戦略で伝統の製炭に着目し、炭窯(高さ1.2メートル、幅1.6メートル、奥行き2.1メートル)の復元プロジェクトを2017年11月に始めた。完成後の18年4月に1回目の炭焼きを実施し、約190キロの木炭ができた。住民に1.7キロを500円で販売したところ、バーベキューなどに使われ好評だったという。

 地区内には、現在は閉鎖中のキャンプ場があることから、再開後に利用者に安く炭を販売するなどして、資源循環につなげたい考えも持っている。

 12日には、同町戸河内の炭窯を阿須那小の5、6年生8人が訪れた。児童たちは、昔の人が炭を売って生計を立てていたことを教わった後、木材を手渡ししながら炭窯の中に詰める作業を体験した。6年の日高音和さん(11)は「窯の中は涼しく、木の匂いがこもっていた」と話した。

 炭焼きを担当する三上武義さん(74)は「子どもたちには、昔の人がしていた仕事を記憶の中に残してほしい」と願った。

2018年7月13日 無断転載禁止