鴎外7歳の写本公開 「神童」ぶりに関心 津和野の記念館

展示された森鴎外直筆の写本について説明する大山優子主任主事=島根県津和野町町田、森鴎外記念館
 島根県津和野町出身の文豪・森鴎外(1862~1922年)の自筆で最古の写本の一般公開が18日、同町町田の森鴎外記念館で始まった。7歳の時に藩校・養老館で筆写した倫理道徳の教科書「童蒙(どうもう)入学門」の写本で、丁寧な楷書で書かれた漢字が並び、鴎外の「神童」ぶりに来場者の関心が集まっている。

 鴎外は津和野藩医の長男として生まれ、1869(明治2)年、7歳の時に養老館に入学した。入学に際し、最初に「童蒙入学門」を書き写すのが決まりだったという。

 出来栄えの良さに感嘆した教師の今井正臣(大岡盤谷(ばんこく))が、最後のページの巻尾に「八歳(数え年) 森五木童(ごぼくどう)記」と墨筆で添え書きした。五木童とは、鴎外の本名「森林太郎(りんたろう)」に木が五つあることにちなみ、今井が命名したあだ名という。鴎外はその後、15歳のときに、写本の由来や章立てを書き加えた。

 写本は和紙のとじ込みで、縦24センチ、横17センチ。1970年にあった古書入札会の目録に写真が掲載され、存在は知られていたが、所在不明だった。埼玉県所沢市のコレクターが所持しており、町は2017年7月、写本を含む鴎外関係の資料約7500点を3千万円で購入した。

 これまでは、14歳の時の本への書き込みが最も古いとされていた。

 同記念館の大山優子主任主事(40)は「16ページにわたりしっかり写しており、きちょうめんだったことがよく分かる。15歳の時の筆致と比較できるのも特徴」と説明。山口県下関市から訪れた会社員岡野友紀さん(62)と妻の淑子さん(60)は「やはり、鴎外は神童だった。丁寧な筆致ですごい」と感嘆していた。

 写本を含む資料12点が9月24日まで、同記念館で展示される。 

2018年7月19日 無断転載禁止