東京五輪まで2年/暑さ対策も重要課題だ

 東京五輪の開幕まで2年となった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興努力のシンボルとして、福島県を起点とする聖火リレーのコースと日程が決まり、やはり福島県でのソフトボールで始まる各競技のスケジュールも国際オリンピック委員会(IOC)に承認された。

 競技スケジュールに連動する入場券販売計画では、その価格が発表され、国立競技場や選手村などの競技関連施設の建設も順調に進んでいる。終盤に入る開催準備の課題は何だろう。

 猛暑は2年後も必ずやって来ると想定して、大会組織委員会は暑さ対策を交通・輸送対策と並ぶ最重要課題と位置付け、さまざまな工夫をしなければならない。IOCはとにかく、暑さをしのぐ日陰をたくさん作り出してほしいと注文をつける。

 競技スケジュールの決定では、男女マラソンを当初の午前7時半から7時に、また男子50キロ競歩を7時半から6時に、それぞれスタート時間を早めた。気温が少しでも低いうちに競技を終了しようとの考えだ。

 気になることがある。馬術は馬の負担軽減の観点で、主に夕刻から夜にかけて実施する。なぜ選手は朝なのか。マラソンでは高温に加え、強い直射日光が照り付ければ、選手には極めて大きなダメージとなる。

 今回のような微調整では、限定的な効果しか期待できない。マラソンや競歩も、日が陰ってからのスタートが望ましいはずだ。新しい計画でもレース後半、8時半前後から多くの途中棄権者が出る恐れがないか。

 熱中症で倒れる危険が高いのは、選手よりむしろ観客とボランティアだ。選手は普段から猛練習で鍛えている。大量の発汗は生活の一部だ。夕刻以降ならば、大勢の市民が夕涼みを兼ねて沿道で観戦できる。競技開始時間に再検討の余地はないのか。

 大会組織委は気分が悪くなった観衆の応急措置などに当たる、いわば「医事ボランティア」を観衆千人に対し1人配置する。これは良いアイデアだ。しかし一般のボランティアは、観衆が競技会場で列をつくって並ぶよりもずっと長い時間、表に立ち活動する。気分が悪くなる人が多くなることが予想される。

 組織委はボランティアを前回リオデジャネイロ五輪より3万人も多い8万人確保する計画だが、規模縮小を考えられないか。医事ボランティアが体調の不調を訴える一般ボランティアへの対応に追われるような事態は避けたい。

 東京都は組織委とは別に3万人の「都市ボランティア」を募集する計画だ。これも猛暑対策の観点からは合理的ではないし、あまりにも多過ぎるだろう。

 東京都には新しい競技施設群が整備される臨海部を温かみのある地区につくり上げる努力を進めてほしい。

 内外の五輪観戦客が競技直後に、その余韻に浸ることのできる施設や広場を数多く整備してほしい。涼しさを感じられる緑の広場があれば最高だ。

 食事や飲み物を前に会話が弾むような空間は、大会に特別な味わいを添える。そのような空間は大会後も、地区がにぎわいを保つために欠かせないはずだ。

2018年7月24日 無断転載禁止