「山陰の野茂」親子2代で目指す甲子園

準決勝の出雲商業高校戦で声援を送る渡辺栄治さん(右)=松江市上乃木10丁目、市営野球場
 第100回全国高校野球選手権記念島根大会で決勝に進んだ石見智翠館に、親子2代で甲子園出場を目指す選手がいる。吉賀中学校出身の渡辺颯斗(はやと)君(17)。父・栄治さん(44)=島根県吉賀町下高尻=は第72回大会(1990年)でエースとして津和野を甲子園初出場に導いた名選手だ。松江市上乃木10丁目の市営野球場で準決勝があった25日、7番遊撃手で出場した颯斗君に声援を送り「ここまできたら狙ってほしい」と期待を込めた。

 栄治さんは2年生エースとして、背番号が打者に見えるほど体をひねり、右横手から投げるフォームで、スライダーやカーブ、シュートを武器に好投。当時、「トルネード投法」でプロ野球にデビューした野茂英雄投手にちなみ、「山陰の野茂」と呼ばれた。

 島根大会決勝では江の川(現・石見智翠館)を破り、夏の甲子園は1回戦で強豪・横浜商(神奈川)に惜敗した。社会人の王子製紙米子でもプレーした。

 颯斗君は幼い頃から、栄治さんの甲子園での映像を見ていた影響もあって小学1年で野球を始めた。栄治さんはスポーツ少年団のコーチや吉賀中の外部コーチとして、中学まで投手も務めた颯斗君に配球や駆け引きなどを伝えた。

 「(父は)目標であり憧れ。自分も甲子園の舞台に立ちたい」という颯斗君。甲子園の常連校・石見智翠館に入学し、寮生活を始めた。内外野を守れる万能型の選手として、120人を超える部員の中でレギュラーをつかんだ。

 今夏は7番打者として活躍。打率4割と好調で、栄治さんは「上出来だ」と目を細める。自らが決勝で破った石見智翠館に息子が入り、応援することに不思議な縁も感じている。

 「甲子園は人生を変えてくれる場所」(栄治さん)という聖地にあと一勝に迫った颯斗君は「いつも通りの野球をする」と誓った。

2018年7月26日 無断転載禁止