「さんいんユーモア連歌大賞」への招待

 連歌(れんが)は、平安時代中ごろから盛んになった、日本独特の文芸です。

 五七五(または七七)の前句(まえく)に対して、七七(または五七五)の付句(つけく)を付ける、という のがその基本です。

 鎌倉時代以降は、五七五の句に七七を付け、その七七の句にまた五七五を付け…、とい う具合に百句まで続ける形式(「長連歌」という)が主流になるのですが、本大賞では、前 者の、二句で完結する形式(「短連歌」という)で作品を募ります。

 前句から連想することなら、なにを付けてもよいのですが、あまりありふれた内容だと、 おもしろくありません。たとえば、

  名作を台無しにする半可通

   という前句に、

  知ったかぶりで解説をする

と付けたのでは、ほとんど前句の内容をなぞっただけにすぎません。もっと連想を飛躍さ せて、

  まだ続くのに拍手した曲

とでもすれば、おもしろい句になります。

 また、同じような内容であっても、表現のしかた一つで、句の味わいは変わってくるも のです。「まだ続くのに…」の句を、

  拍手したのにまだ続く曲

と直せば、さらに一段とおもしろい作品に生まれ変わります。

 このあたりに注意して、みなさんも愉快な付句を付けてみてください。

 ご参考までに、『松江ユーモア連歌大賞 入賞作品集』(二〇一二年、松江市)から、大賞 を獲得した作品をご紹介しておきます。

 

  (前句) 殿様のお目にとまった町娘

  (付句) 角の千太が旅に出たげな

 

  (前句) あれも百均これも百均

  (付句) 喧嘩するたびに女房が投げてくる

 

  (前句) ハンカチの中からハトが飛び出して

  (付句) あわててつかむママのおっぱい

 

  (前句) 船頭さんの声に聞きほれ

  (付句) 三度目でやっと気づいたプロポーズ

 

  (前句) あれ以来いちどもあったことがない

  (付句) パパによく似たサンタクロース

 

  (前句) カラコロカラコロ下駄の足音

  (付句) 朝顔も金魚も揺れる裾模様

 

  (前句) お忍びの若様だとは気がつかず

  (付句) 特ダネ逃し煽るヤケ酒

 

  (前句) シャッターチャンスねらう水際

  (付句) 絵葉書と同じ夕陽が撮りたくて

 

  (前句) 手をつなぐ体育会系文科系

  (付句) 日替わりランチ値上げ反対

 

  (前句) こんなところに城があったか

  (付句) 姫様に尻尾があればご用心

 

 なお、山陰中央新報の文化欄で掲載中の「レッツ連歌」は、このホームページでもご覧 いただけます。また、一九九四年から二〇〇六年までの作品は、『レッツ!連歌』(第一集 ~第四集)として、山陰中央新報社より刊行されています。  あわせてご参考になさってください。  

2018年7月28日 無断転載禁止

こども新聞