IT勝ち組のプロ野球戦略

 昔、大毎オリオンズというプロ野球球団があった。現在の千葉ロッテの前身で1960年に自慢のミサイル打線でリーグ優勝したが、日本シリーズでは大方の予想に反し大洋(現在のDeNA)に4タテを食らってファンの期待を裏切った。責任を取って監督を辞任した西本幸雄氏は「私が指揮したチームでは最強だった」と古巣を振り返った▼千葉ロッテが買収されるのではとの噂(うわさ)がネット上などで広まっている。衣料品通販サイトの「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が自身のツイッターで「プロ野球球団を持ちたい」とつぶやいたのがきっかけ▼ロッテのホーム球場の名称はZOZOマリンスタジアム。元々は千葉マリンスタジアムだったが、命名権を取得し、入れ物の次は本体かと憶測が飛び交う▼ロッテ側は即座に否定したが、前澤社長はシーズンオフにはプランを提案したいと本気度をみせる。前澤氏の千葉へのこだわりが強いこともロッテ買収説をあおっている。新球団創設も視野に入れているのだろうか▼プロ野球が12球団制になってから60年たつが、自民党が地方創生メニューとして16球団構想を提言したことがある。これに対し「今でも多くの球団が赤字経営なのに、これ以上増やしても共倒れになる」と既存球団は概(おおむ)ね冷ややか▼電鉄、映画、新聞社。かつての球団親会社の御三家。大毎も映画会社と新聞社の合作だった。時代を映しながら、球団経営にIT勝ち組のビジネス流儀が波紋を広げる。(前)

2018年7月29日 無断転載禁止