広島原爆の日前に企画展 江津・有福温泉 平和の尊さ伝える

原爆の惨状を伝える絵を見る来場者
 広島原爆の日(6日)を前に、「祈りの夏」と題した企画展示が1日、島根県江津市有福温泉町の湯町サロンで始まった。広島市民が原爆の惨禍を描いた絵画をはじめ、同町にあった原爆被爆者療養所の資料が並び、平和の尊さを伝えている。入場無料で15日まで。

 戦後73年となり、戦争経験者が少なくなっているほか、原爆被爆者療養所の閉所から5年がたつ中で、戦争の記憶を風化させず、次代に継承していこうと、地元の湯町自治会(盆子原温会長)が2014年から毎年この時期に企画している。

 広島市の広島平和記念資料館から借り受けた絵画の複製28点は、原爆が投下された1945年8月6日の惨状を被爆者の身になって描いた作品で、亡くなった人々への哀悼の念や、悲劇を二度と繰り返してはならないとの切実な願いが一筆ごとに込められている。

 療養所は1967年に開設し、2013年末に閉所するまで、被爆者ら延べ約90万人が利用し、有福温泉の湯で心身を癒やした。会場には療養所から引き継いだ利用者の記帳ノートや沿革史など貴重な資料も並べた。原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」のDVD上映コーナーも設けた。

 6日には会場で式典を開き、折り鶴の献納や献花を行う予定で、盆子原会長(68)は「療養所があった地域の歴史や戦争の記憶をしっかり語り継ぐきっかけにしたい」と話した。

2018年8月1日 無断転載禁止