戦場カメラマン・渡部陽一さん 中止の講演会振り替え開催

ギャラリートークで作品解説する渡部陽一さん(右)。西日本豪雨で中止となった講演会を9月16日に開く
 「戦場カメラマン」の渡部陽一さん(45)が9月16日、江津市江津町の市総合市民センターで無料講演会を開く。西日本豪雨の影響で、同市桜江町川戸の今井美術館で開催中だった写真展に合わせた講演会(7月8日)は急きょ中止となったが、多くの惜しむ声を受け、「被災地の人たちが前に踏み出す気持ちになる助力になれば」と振り替え講演の開催を決めた。

 父親が安来市出身で島根県とゆかりのある渡部さんの写真展は、イラクやアフガニスタンなど戦場で撮影した作品134点を集め、6月24日から7月22日まで開かれた。渡部さんは初日にギャラリートークを繰り広げたほか、期間中の同8日に約300人を対象に講演会を開く予定だったが、西日本豪雨で同6日夜に八戸川の水があふれ、同館周辺で複数の住宅が床上浸水する大きな被害が出た。

 写真展を中心となって運営していた同館の月森まりえ副館長(49)の江津市桜江町川越の自宅も、1階の天井まで水に漬かるなど被災した。渡部さんは同8日朝に広島経由で到着する予定だったが、会場周辺の国道261号など道路の通行止めが相次いだため、同館が講演会の中止を決断した。

 講演会を楽しみにしていた人は多く、道路環境が悪い中、渡部さんを一目見ようと同館を訪れた人が複数いたほか、100件近い問い合わせもあったという。

 こうした反応を受け、渡部さんは多忙なスケジュールをやりくりして講演に訪れることを決意した。「少しでも多くの人に、戦場で写真に収めた子どもたちの声を直接伝えたい」と意気込んでいる。

 講演会は午後1時からで、作品の展示も予定。先着600人で締め切る。

2018年8月2日 無断転載禁止