(115)小川家雪舟庭園(江津市)

雪舟の山水画を立体的に表現したかのような趣の庭園
水墨画の世界浮かぶ名園

 江津市和木町の旧家、小川家にある「小川家雪舟庭園」。画聖・雪舟が作庭したとされる庭は1959年に県の指定文化財に認定され、全国からファンが訪れる名園だ。

 山の斜面に、大小の石を配置した庭園の面積は約360平方メートル。庭の前に設けた書院から観賞できる「池泉観賞式」と呼ばれる様式で、室町時代の1460年代に県西部を訪れた雪舟が小川家に滞在して築庭したとされる。

 三尊石を中心に、上部が平たい形をした石が立つ姿や崖地に造られた渓谷の美しさは、さながら雪舟の描いた水墨画の世界を立体的に表現したかのような趣となっている。

 全国約400の古い庭園を調査し、日本庭園を体系的に研究した作庭家、重森三玲(みれい)は「日本庭園史上特筆大書すべき」と絶賛。数多くの石を巧みに組み合わせて表現した庭に、多くの専門家たちが画聖の「考え抜かれた構成の美」を感じ取る。

 従来は家族や客人にのみ開放してきたが、昭和40年代から公開を始めた。ただ、今も草木の手入れや運営を私費で行い、観光地化を避けている。42代当主夫人の小川敬子さん(73)は「静かにひっそりと庭を楽しめる環境を維持していきたい」と話した。

 開園時間は午前9時から午後5時まで。入園には事前予約がいる。水曜日は休園。問い合わせは小川家、電話0855(53)1213。

2018年8月2日 無断転載禁止