40年前見た大仏追想 6日に県美でイベント

「バーミヤン東大仏天井画」の展示を見る瀬古康雄さん=松江市袖師町、島根県立美術館
 島根県立美術館(松江市袖師町)のクローン文化財展に展示されている「バーミヤン東大仏天井壁画」を特別な思いで眺める人がいる。県立大元教授の瀬古康雄さん(73)=松江市大庭町=で、約40年前に現地を訪れたことがあるからだ。6日には失われた大仏を追想し、会場でシタール演奏と語りのイベントを催す。

 瀬古さんは京都大で哲学を学び、卒業後の1971年に当時の県立島根女子短大に赴任。76年に中央アジアの遺跡調査隊に加わりアフガニスタンのバーミヤン遺跡群を訪れた。

 岩の崖をくりぬいて造られた高さ55メートルの西大仏や38メートルの東大仏を目の当たりにし「巨大すぎて声が出なかった。自分一人の力ではびくともしない、そういうものがあると気付けた」と振り返る。

 東西の大仏が旧タリバン政権によって破壊されたのは2001年。「突然のことで驚き、あの時出会った人たちは無事だろうか」と案じたという。

 この夏、クローン文化財展に何度も足を運び、東大仏の頭上に描かれていた天井壁画の復元作品に見入った。当時、壁画があった大仏頭部付近まで足を運んだといい「修行中の人しか登れない特別な場所だった。とても刺激になった」と述懐。会場で映し出される風景映像に「現地の記憶そのまま。失われたものが本当によみがえったようだ」と感動を語る。

 6日は午後2時から、インドの弦楽器シタールを弾きながら思い出などを語る。中村元記念館・東方学院の講師を務めており、公開講座として開く。

 「東京芸術大学クローン文化財展 甦(よみがえ)る世界の文化財~法隆寺からバーミヤンへの旅」は、東京芸術大と山陰中央新報社など実行委員会の主催で26日まで(14日を除き火曜休館)。

2018年8月5日 無断転載禁止