スポーツと平和の尊さ

 8-7。野球で面白い展開とされる試合のスコアは、発言した元米大統領の名前を取って「ルーズベルト・ゲーム」と称される。益田東高は同スコアで敗れ甲子園初勝利を逃したものの、一度は5点差を逆転する健闘をみせた▼野球といえば、首位を走る広島カープに関連して、はやっているものがある。選手の背番号で足し算や引き算をするドリルだ。例えば「田中広輔(2)+堂林翔太(7)=丸佳浩(9)」となる。地元出版社が5月に発売。1カ月で予想の3倍以上の約1万部を売り上げたという▼このドリルが通用しない日があった。3年前の8月6日に本拠地であった阪神戦。選手・首脳陣全員が背番号(86)のユニホームを着用した。背中の名前も全員「HIROSHIMA(ヒロシマ)」。これでは誰か分からない▼原爆投下から70年の節目に合わせた特別ユニホーム。試合前、両チームの選手が核兵器廃絶と平和への思いを込め、ベンチ前で黙とうをささげた。被爆後の広島市民を勇気づけ、復興の象徴となったカープならではの取り組み▼6日の広島に続き、9日は長崎原爆の日。サッカーJ1のサンフレッチェ広島は、V・ファーレン長崎を迎える11日の試合を「ピースマッチ」と銘打ち、「スポーツができる平和に感謝」というキャッチコピーを付けた▼100回の節目を迎えた夏の高校野球。開会式では、近江高の中尾雄斗主将が西日本豪雨を踏まえ「野球ができることに感謝する」と選手宣誓した。平和の尊さをかみしめ、熱戦を楽しみたい。(健)

2018年8月8日 無断転載禁止