木次線存続願い観劇列車 住民支えた思い出回顧

JR木次線の待合室で上演する劇団ハタチ族代表の西藤将人さん(右)
 JR木次線の活性化の一環で11日、列車内と待合室で演劇を上演する観劇列車「木次線、その先へ」が運行された。同路線では初めての試みとなり、島根県雲南市などの観客30人が物語を通して多くの沿線住民の暮らしを支えた木次線の歴史に思いをはせた。

 JR出雲大東駅を指定管理する市民団体「つむぎ」が企画。東京と大阪を拠点に活動する劇作家の樋口ミユさんが脚本と演出を担った。

 物語は、木次線がなくなるといううわさを聞いた鉄道オタクの女性がやって来る場面から開始。女性が開業して今秋102年を迎える木次線にまつわる住民の思い出を集めていく。

 宍道駅(松江市宍道町宍道)を同日午前11時18分発、木次駅(雲南市木次町里方)に同11時52分着の普通列車1両を貸し切り、列車内と到着後は木次駅の待合室を舞台に上演した。待合室では、地元の劇団ハタチ族代表の西藤将人さん(34)が、太平洋戦争中、木次駅で多くの人々に見送られ、名古屋の軍需工場で働いていた際、空襲で帰らぬ人となった三刀屋中学の生徒の実話に基づき、古里への思いを表現。最後は、三刀屋高校の生徒が「線路は続くよどこまでも」を合唱しながら行進し、若者が鉄路の未来を引き継ぐメッセージを発した。

 雲南市木次町木次の主婦谷岡美栄子さん(68)は「木次線には多くの人たちの思い出が詰まっており感動した。こうした催しにより乗客が増え、路線が続いてほしい」と話した。

 12日も運行されるが既に定員に達している。

2018年8月13日 無断転載禁止