女子ログ 夏の思い出の味

 うちのカルピスの飲み方は昔から牛乳割りである。水は一切入れない。見た目も味も濃厚で、独特の酸味が牛乳によってまろやかになり、逆に牛乳の臭みが抑えられて飲みやすいという、まさに黄金の組み合わせである。私は子供の頃から大好きで、夏にはよく飲んだ。

 ところが、友達の家で出されたものは、私の知っているものと見た目から違った。なんだか微妙に半透明で、飲むと見た目通り、薄くて水っぽい。これ変だよ、と言おうとして、友達がにこにこしながらそれを飲んでいるのに気付いた。「夏といえばこれだよね、おいしいよね!」。そう言うその子はとてもうれしそうだったので、私はその薄くておいしくないカルピスを「ほんとおいしいよね」と我慢して飲んだ。

 まあ、つまりうちの牛乳割りがマイナーな飲み方で、一般的にはこの水割りらしいと知ったのはずいぶん後になってからのことだったが、私はこの一件で大事なことを学んだ。

 私の“普通”で“常識”は、他の人にとっての“異常”で“非常識”かもしれない。他人と違うことは決して悪くないけれど、自分の考えを人に押し付けてはいけない。

 それ以後、それ変だよ、おかしいんじゃない?と言う前に、この一件を思い出すことにしている。

 (ふかみどり・安来市)

2018年8月14日 無断転載禁止