世事抄録 「組織とトップ」を考える

 昔、「組織はトップを越えられない」という言葉を教わった。これは営業の心得として、取引先はトップを見て決めよという意味である。この手の言葉はほとんど忘れたが、昨今の報道を見ていて、この言葉だけがやけに頭に浮かぶ。

 財務省を筆頭に不祥事をわびる各省庁の大臣や官僚、そして、大手で老舗の企業の品質管理の手抜きなどを謝るトップ。共通して「この組織は駄目だな」と感じる。起こったことに対する責任感と、爾後の改善に対する真剣さが全く感じられない。逆に、同じことが起こる高い可能性を感じる。そして案の定、「再発」がニュースになる。

 不祥事の多さから、問題は個別の省庁や企業のレベルではなく、日本という組織そのものが「どうもおかしい」のではなかろうか。すなわち、この組織は、そのトップを他国から見て、取引したい相手と映るのか。あるいは「あのトップではなあ…」と二の足を踏ませるのか。

 客観的状況として、国内的には「森友・加計」問題などで信頼性は地に落ち、国際的には「アメリカと100パーセント共にある」発言で、この国は自分の意見を持たない国との評価が定着し、「蚊帳の外」状態である。これでは、「取引先」としてはアウトである。

 9月の自民党総裁選によっては、この状態がさらに3年も続くのだが…。

 (松江市・幸兵衛)

2018年8月16日 無断転載禁止