日本刀の聖地

 擬人化した名刀を集めるゲーム「刀剣乱舞」が若い女性に人気と聞き、20歳の長女に尋ねると以前はまったとのこと。ゲームで覚えたのだろう。名刀を次々と口にするのに驚いた▼源頼光が酒吞童子(しゅてんどうじ)退治に使ったとされ「天下五剣」の一つで国宝の「童子切(どうじぎり)安綱」はまだゲームに登場していないという。平安時代後期の伯耆(鳥取県中部・西部)の刀匠・伯耆安綱の作だけに気になるところ▼反りのある日本刀の始祖とされる安綱の本拠地については諸説ある。19日に米子市であった安綱の談義イベントでは、安綱ブランドを使う刀匠集団で、伯耆の各地に工房を構えた可能性が指摘され、興味深かった▼東部を含め鳥取県が数々の刀匠を生んだことも倉吉博物館で26日まで開催中の企画展で知った。室町時代に尼子氏に攻め落とされた岩倉城(倉吉市)の武士で流浪の末に刀匠に転じた見田兵衛(ひょうえ)、幕末に天皇の御剣まで手掛けながら明治の廃刀令で苦境を味わった宮本包則(かねのり)(三朝町出身)らそれぞれドラマがある▼談義イベントでは「日本刀の聖地」として伯耆が一体となり情報発信する道が示された。島根県側と比べ十分アピールできていない、たたら製鉄の歴史の訴求力も増すはずで、機運の盛り上がりが楽しみ▼刀剣乱舞で日本刀に興味を持つ「刀剣女子」の存在に触れ、ゲームとのタイアップというアイデアも飛び出した。ゲーム「ポケモンGO」の関連イベントで砂丘に集客したまんが王国・鳥取県の出番だろう。次は「刀取県」でいかが?(志)

2018年8月21日 無断転載禁止