宮廻氏「無極」の画業 江津・今井美術館で25日開幕

宮廻正明氏の代表作の一つ「道の空」について紹介する学芸員=江津市桜江町川戸、今井美術館
 現代日本画壇を代表する画家で、最新の文化財複製技術「クローン文化財」を開発した東京芸大名誉教授、宮廻正明氏(67)=松江市出身=の画業をたどる展覧会「宮廻正明展~無極~」(今井美術館、山陰中央新報社主催)が25日、島根県江津市桜江町川戸の今井美術館で開幕する。初期から近作に至る計約30点を展示し、果てなく、極まりない「無極」の境地で絵を描き続けてきた同氏の作品世界や魅力を紹介する。

 宮廻氏が3月末に同大大学院教授を退任し、名誉教授に就任した節目を記念して企画した。

 出品作品のうち、東京芸大の卒業制作品として1979年に描いた「日々のしおり」は、小品6点で構成した抽象画で、20代の画風を伝える。99年作で、再興第84回院展で文部大臣賞に輝いた「平均律」は、モロッコのオリーブ畑の木を均等なリズムを刻むように画面に配した印象的な作品になっている。

 他にも、統廃合で取り壊された富山県内の小学校校舎をモチーフにした「道の空」(2004年作)など多くの代表作を展示する。

 開催に当たって、宮廻氏の作品を所蔵する足立美術館(安来市)、セレネ美術館(富山県黒部市)、ウッドワン美術館(広島県廿日市市)の協力を得た。

 会場には「技法解説」のコーナーも設置。宮廻氏が鉛筆で実際に描いた制作途中の素描を展示するなどし、制作過程を分かりやすく紹介する。

 宮廻氏は「極めることなく、新しいものに挑戦してきたこれまでの歩みを見ていただきたい」と話す。開幕日の25日は午前10時半から、同氏が作品に込めた思いや制作過程のエピソードを紹介するギャラリートークがある。

 9月24日までの会期中は無休で、開館時間は午前10時から午後4時。料金は一般が千円(前売り800円)。

2018年8月22日 無断転載禁止