ネットと青少年/家庭の取り組みが鍵だ

 政府は「第4次青少年インターネット環境整備基本計画」を決定した。青少年がネットをきっかけにトラブルに巻き込まれないよう2009年に学校や家庭における教育・啓発、有害情報のフィルタリングなどの課題や施策をまとめ、3年ごとに見直している。今回は、ネット利用の低年齢化や犯罪被害増加への対応を主な課題に挙げた。

 警察庁によると、昨年1年間に出会い系以外の会員制交流サイト(SNS)の利用で児童買春や、自分の裸を撮影して送るよう強要される「自画撮り被害」などに遭った18歳未満は1813人に上り、統計のある08年以降で最多。女子中高生が中心だが、自画撮りの被害者で最年少は小学3年生の8歳女児だった。

 スマートフォンなどは今や小学校低学年や未就学の児童にまで広がっている。ネット上のいじめも後を絶たない。さらに神奈川県座間市で9人の切断遺体が見つかった事件では、自殺願望を書き込んだツイッターなどを通じ知り合った男に女子高生をはじめ15~26歳の男女が言葉巧みに誘い出され、犠牲になった。

 事業者や民間団体による有害情報の監視・削除の強化には、どうしても限界がある。低年齢化もあり、子どもを守るために家庭でよく話し合い、きちんとネット利用のルールをつくるなどの取り組みがますます重要になる。

 環境整備計画の策定を前に政府が10~17歳の青少年5千人と保護者5千人を対象に個別面接などで実施した実態調査によると、青少年の82.5%がスマホや携帯電話、タブレットなどでネットを利用。その内容を見ると、高校生はコミュニケーション、中学生は動画視聴、小学生はゲームがそれぞれ最も多かった。

 1日の利用時間は平均で約159分。年齢が上がるに連れ長くなり、5時間以上は小学生5.1%、中学生11.6%、高校生26.1%だった。一方、保護者は84.4%が利用時間のルールを決めるなど何らかの方法で子どものスマホを管理していると答えた。

 ただ気になるのは、ネット利用のルールを決めているとした青少年は65.1%で、保護者の83.5%と18.4ポイントの差があったことだ。高校生の場合は21.7ポイントだった。

 もう一つ、考えさせられる調査結果がある。国立青少年教育振興機構などが昨秋、日本と米国、中国、韓国の小中学生1万人余にネット利用と親子関係について聞いた。家族が一緒にいても、それぞれ自分の携帯やスマホを操作しているかとの設問で、日本の小学生の57.5%、中学生の65.0%が「よくある」「たまにある」と答えた。

 またネットの危険や利用のマナーについて親から注意されるかについては、小学生32.4%、中学生25.1%が「ほとんど注意されない」としている。いずれも、4カ国の中で最も高かった。

 スマホのオンラインゲームに過度に依存する「ゲーム障害」が世界保健機関(WHO)の疾病に追加されるなど新たな課題も指摘されている。政府は小学校低学年から発達段階に応じてネット利用の危険性を伝える教育を進め、保護者への啓発や支援に力を入れるとする。

 ただ、親子で真剣に向き合うことなしには多くを期待することはできないだろう。

2018年8月23日 無断転載禁止