(116)高野寺の曼荼羅(大田市温泉津町)

天井一面の荘厳な世界

高野寺の天井に描かれた曼荼羅
 大田市のほぼ西端、温泉津町井田の山中に位置し、「西の高野山」とも称される高野寺(たかのじ)。814(弘仁5)年に弘法大師が開いたとの伝承が残り、石見観音霊場の三十三番札所でもある。

 200段の石段とその周囲で咲き誇るツツジ、県指定文化財の銅鐘など、さまざまな史跡、見どころを有する古刹(こさつ)。本堂の中に足を踏み入れると、天井一面に描かれた曼荼羅(まんだら)に目を奪われる。

 寺は、1200年の歴史の中で数度の火災に見舞われてきた。現在の本堂が建てられたのは1860(万延元)年。曼荼羅も、その建立の際に描かれたとみられる。

 増沢寛順住職(62)によると、描いた絵師は、残念ながら不明。それでも150年の月日が流れているとは思えない、制作時そのままの色鮮やかさを残す荘厳な絵姿をひと目見ようと、県内外から大勢の参拝者らが訪れるという。

 檀家(だんか)以外の来訪者であっても本堂の出入りは自由とし、曼荼羅の撮影も可能。近年ではインターネットやスマートフォンの普及を反映するように、撮影した画像を会員制交流サイト(SNS)に公開する来訪者もあるという。

 増沢住職は「(曼荼羅は)貴重な財産。大勢の方に目にしてほしいし、画像がSNSを通して広がることで、新たな知見や情報、研究成果が得られるかもしれない」と歓迎する。

2018年8月23日 無断転載禁止