早め早めに

 この夏は天候に振り回される。23日夜から翌日未明にかけて西日本を縦断した強い台風20号は、近畿地方を中心に、各地に爪痕を残した。進路が東にそれたため山陰は直撃を免れたが、台風一過の昨日は猛暑が戻った▼今回は気象庁が事前に、夜間の「複合的な災害の恐れ」を指摘したこともあり、関西などでJRやデパート、企業の一部に運行や営業、勤務を早めに打ち切る対応が見られた▼不便を強いられる面はあるが、わずか一日のこと。災害に備えて早めに帰宅を促す取り組みが広がれば、先手先手の避難行動につながるだろう。「備えあれば憂いなし」は備品や施設だけではない▼今年は早く猛暑に突入したせいか、台風の発生ペースも速い。20個目の発生は、統計の残る1951年以降では、71年の8月8日に次ぎ2番目に早い。しかも8月中に20個に達したのは過去に4回だけ。いずれの年も発生数が多かっただけに、この先も油断できない▼台風が発生しやすくなっているのは、発生領域の海面水温が高いことに加え、インド洋からの南西の季節風が強いためで、先週は史上初めて5日連続で発生した。19号とのダブル台風になった今回や、7月末の「逆走台風」のように意表を突く進路や襲い方も目立つ▼気象庁の検討会は、この夏の豪雨と猛暑を「異常気象の連鎖」と分析している。背景に地球温暖化もあるという。台風の動向との関係も気になる。災害から身を守る行動も、地球に優しい取り組みも、早め早めに越したことはない。(己)

2018年8月25日 無断転載禁止