風土記の薬草 標本展示室 出雲の女性ら 19年3月設置へ

古代出雲薬草探求会が開いた茶会で、ハスの葉の標本作りに取り組む参加者ら
 島根県出雲市在住の女性らが立ち上げた「古代出雲薬草探究会」が来年3月、出雲市大社町のカフェ内の一画に、出雲国風土記(733年)に記載された薬草の標本展示室を設置する。同会は風土記に記された薬草を現代の生活に取り入れる活動を続けており、市内では他にも地元産の薬草を使った商品開発に取り組む企業・団体が増加。薬草が出雲の地域振興の一助になりそうだ。

 探求会は2015年、出雲市大社町杵築東でカフェを営む代表の須田ひとみさん(43)ら4人で発足。風土記に記載された草木115種類のうち薬草が約70種類に及ぶことなどから、古代出雲の伝承を現代によみがえらせ、後世に伝えようと活動を始めた。

 クズやツバキ、マコモなど風土記に登場する薬草をテーマに、講師を招いた勉強会や茶会を開き、効能や取り入れ方、季節ごとの養生方法を学ぶ。7月にあった夏の茶会には市民6人が参加し、ハスを題材にお茶にして飲んだり、標本作りに挑戦したりした。

 標本展示室は、多くの人が薬草について理解を深める情報拠点をつくろうと企画。須田さんのカフェに併設して開く予定で、探求会のメンバーが標本作りに励んでいる。須田さんは「風土記記載の薬草は日常的に手に入るものが多い。私たちが使うことで文化をつなげられればうれしい」と話す。

 県内では、薬草を活用した産業と観光振興のプロジェクトを進める出雲商工会議所をはじめ、薬草を用いた商品開発に取り組む団体や企業、個人が増えつつある。荒神谷博物館(出雲市斐川町神庭)は18年度内に薬草とその薬草を使った商品、購入先などを記したパンフレットを製作し、情報発信する計画だ。

2018年8月29日 無断転載禁止