女子ログ 木次線

 奥出雲町に私が初めて来たのは約9年前。まだ主人と付き合ってる頃。田んぼの真ん中を線路が走っている風景を指さしながら「ほら、新潟と違って電線がないでしょ? ここは電車じゃなくて汽車なんだよ」と彼が教えてくれた。とても感動したのを覚えている。

 結婚し、再び奥出雲を訪れた際に主人の祖父母と4人でトロッコ列車に乗車した。肌寒い日だったがそば弁当を食べながら三段式スイッチバックを初めて体験し、おろちループを眺めたのを覚えている。

 7月に西日本豪雨の影響で木次線が運休した。普段は自動車移動ばかりで木次線に乗ることはめったにないし、汽車が走る姿も当たり前になっていて、特に気にしていなかった。しかし、不思議と毎朝聞こえるはずの汽車の音が聞こえない、夏休みでにぎわうはずのトロッコ列車が走っていないことにとても違和感があり、寂しいと感じた。木次線は私の生活にしっかり溶け込んでいたんだと気付いた。

 多くの方々のお力で1年以上かかると言われていた復旧が1カ月で実現した。このまま廃線になってしまうんではないかと心配もした。運行再開日は三井野原駅でトロッコ列車を迎えた。お客さんたちの笑顔と地元町民の笑顔がうれしかった。これからもこうして観光客と町民との交流が続けていけることを切に願っている。

 (島根県奥出雲町・えちご)

2018年9月1日 無断転載禁止