大宰相への道

 明治改元から150年を迎える10月23日に政府主催の記念式典が行われる。あす告示される自民党総裁選で、石破茂元幹事長を破って3選されれば安倍晋三首相(総裁)の下での開催になる。明治100年の式典は安倍首相の大叔父・佐藤栄作首相の時だった。巡り合わせだろう▼1885年に内閣制度ができてから62人の首相が誕生した。うち長州・山口が地元(戦前は出身、戦後は選挙区)なのは伊藤博文、山縣有朋、桂太郎、寺内正毅、田中義一に、戦後の安倍、佐藤両氏と安倍氏の祖父・岸信介元首相の計8人▼その在職期間を足すと、実に40年余りになる。133年になる内閣制度の歴史の約3割を占め、他の都道府県よりも、はるかに長い。戦後73年の期間で合算すると、岸、佐藤、安倍の一族3氏で既に18年近い▼しかも、この3氏は日米安保条約改定や沖縄返還、トランプ政権誕生など日米関係の重要な局面で日本の外交と安全保障のかじ取りを担ってきた。巡り合わせなのか意識的なのか▼安倍首相の通算在職日数は2500日に近づいている。総裁選に勝てば、よほどのことがない限り、計算上は吉田茂の2616日、伊藤の2720日、佐藤氏の2798日、歴代最長の桂の2886日を抜き、東京五輪までには前人未到の3千日台に達する▼歴史に残る長期政権が視野に入る安倍首相。さらに戦後、誰もなしえなかった憲法改正を実現すれば二重の意味で歴史にその名が刻まれる。時代が強い「大宰相」を望んでいるのだろうか。(己)

2018年9月6日 無断転載禁止