(117)順庵原1号墓(邑南町)

全国初出土の四隅突出型

四隅に突出した石積みが残る順庵原1号墓
 四隅突出型墳丘墓は弥生時代中期の後半に誕生した。全国最大級の墳丘墓が並ぶ出雲市大津町の西谷墳墓群が有名だが、その起源は江の川上流の中国山地と考えられ、広島県三次市でも確認されている。

 同市に接する邑南町にも墳丘墓がある。同町下田所の道の駅瑞穂前を通る国道261号沿いにある順庵原(じゅうなんばら)1号墓(邑南町上亀谷)だ。道路脇の少し高くなった場所に、ひっそりとあり、車内から存在に気付くことは難しい。

 国道の建設調査で1968年に発見。大きさは長辺10・8メートル、短辺8・3メートルの長方形で、高さは1メートル。四隅には、特徴である長さ2~3メートル、幅1・2~1・5メートルの細長い突出部がある。墳丘墓斜面に川原石が張り巡らされ、裾には棒状の石が並べられていた。

 発見当時は、特異な形から、これまでに見たことがない構造と注目された。全国で初めての四隅突出型墳丘墓の出土だった。弥生時代後期の前半に造られたもので、3基の埋葬施設(主体部)を確認。第1主体は箱形石棺で底に粘土を敷き、砂が詰められ、内側には朱色が施されていた。石棺の外ではガラス製の小さな玉14個が出土した。第2主体の石棺外からもガラス製の小さな玉49個と管玉3個が見つかっている。

 古墳の歴史を考える上で重要なものとされ、1970年に県指定史跡となった。

2018年9月6日 無断転載禁止