錦織と偶数年の相性

 13歳で渡米した28歳の彼にとって、もう松江暮らしよりも米国での生活の方が長くなった。地元と言える地だから燃えたぎる思いがあるのだろう。テニスの錦織圭選手が四大大会の一つ、全米オープンで躍動。2年ぶりに4強入りを決めた▼2014年の決勝で戦ったチリッチ選手との準々決勝。さほど好調ではなかったようだが、フルセットまでもつれた試合展開で最後は勝負強さがものをいった。次はジョコビッチ戦。4年前のきょう9月7日のやはり準決勝での対戦を思い起こす。未明の松江の応援会場は勝利の歓喜に沸いた▼今大会はいくつかの追い風が吹いている。一つには、4回戦で顔を合わせるとみられていた若手代表格のA・ズベレフ選手が3回戦で敗れたこと。女子の大坂なおみ選手の快進撃も刺激になっているはずだ▼大会の展開とは別に、戦前から活躍を期待できた。というのも、全米に限って偶数年と奇数年で明暗がくっきり。偶数年は準優勝の14年、ベスト4の16年のほか、初の本戦出場を果たした08年はいきなり4回戦進出。初戦敗退は一度もない。逆に奇数年は1勝も挙げていない▼隔年現象は今年も生きていた。14年全米での大活躍を機に、翌年から四大大会に記者を派遣して、錦織選手の現地での手厚い情報を読者に届けている新聞社としても力が入る▼豪雨に酷暑、台風、そして北海道の地震。災害列島と化す日本を励ますためにも第二の古里から優勝の吉報を届けてほしい。生まれ故郷のファンはそう願っている。(泰)

2018年9月7日 無断転載禁止