特派員便り 強靱な精神力に感嘆

準々決勝でマリン・チリッチ選手(左)を破り、握手する錦織圭選手=ニューヨーク(共同)
 個人的な話で恐縮だが、四大大会を現地取材した2015年、錦織圭選手はウィンブルドン選手権で1回戦を勝った後に2回戦を棄権し、全米オープンは1回戦で敗れた。3度目の取材となった今回も、前哨戦が不調とあって、早々の帰国を覚悟して渡米した。

 ふたを開ければ、そんな不安はどこへやら。記者のニューヨーク生活は丸2週間を迎える。

 全米取材の終わりを予感させたのは、準々決勝のマリン・チリッチ(クロアチア)戦。第1セットを簡単に奪われた時には、14年全米の決勝で顔を合わせて以降、故障で大きくランキングを落とした錦織選手と、17年のウィンブルドン選手権、18年の全豪オープンで準優勝し、順調にキャリアを積むチリッチ選手との差が出たのではないかと思った。

 それでも劣勢をすぐに逆転したのは、さすがの一言。柔和な顔の裏には、強靱(きょうじん)な精神力があるのだと、しみじみと感じた。

 大会も早いもので残り3日。記者も錦織選手とともにラストスパートに入る。

2018年9月8日 無断転載禁止