オオサンショウウオ 完全屋内の人工繁殖成功 邑南・自然館

完全屋内水槽で生まれ、別の水槽に移された卵=島根県邑南町上亀谷、瑞穂ハンザケ自然館
 国の特別天然記念物・オオサンショウウオを飼育、展示する瑞穂ハンザケ自然館(島根県邑南町上亀谷)が13日、自然光と外気温の影響を受けない完全屋内水槽での人工繁殖に、国内で初めて成功したと発表した。照明の光量を調整して自然に近い環境にして飼育し、産卵を確認した。他施設でも同じ条件を整えれば人工繁殖できるとみられ、貴重な個体の繁殖促進につながると期待される。

 産卵したのは、28歳の雄「マッチ」(体長105センチ、体重約11キロ)と28歳の雌「サチコ」(約80センチ、約7キロ)のペア。13日午前6時ごろ、水槽内の巣穴に直径約1センチの卵約200個があるのを伊東明洋学芸員(53)が見つけた。

 同館は2013年から4年連続で、屋外とつながり、自然環境の影響を受ける半屋内水槽で飼育した個体の産卵に成功した。

 16年に、水温を管理する完全屋内水槽での人工繁殖に取り組み始めた。17年、天井の蛍光灯に加えて発光ダイオード(LED)を取り付け、時間帯によって光の強さを変えて太陽光を再現。水温は両年とも近くの川をモデルにした。いずれも産卵には至らなかった。

 18年はLEDの青色と赤色の波長を強くして太陽光に近づけたのに加え、新たに月の明かりを再現。水温は、猛暑で高かった近くの川をモデルにせず、時期によって一定に保った。

 半屋内水槽では川と同様に水温が高かった時にも産卵したことや、オオサンショウウオが夜行性であることなどから、光の当て方を工夫したことが、産卵の大きな要因になったと同館は推定している。人工繁殖の対象にする個体は年によって変えているという。

 伊東学芸員は「屋内でLEDを使った繁殖が可能だと分かった。種の保存につながる大きな成果だ。研究を続け、成果と取り組みを他の施設と共有していきたい」と話した。

 産まれた卵は、同館の別の水槽に移して展示しており、順調にいけば約1カ月でふ化するという。

2018年9月14日 無断転載禁止