芸術の魅力知って 宮廻さん 江津の小中学校で絵画教室

江津中学校での絵画教室で、クローン技術で再現した浮世絵を紹介する宮廻正明さん(右端)=5月11日
 島根県江津市桜江町川戸の今井美術館で個展を開催している東京芸術大名誉教授の宮廻正明さん(67)=松江市出身=が、若者たちに芸術の魅力を知ってもらおうと、江津市内の学校で継続的に絵画教室を開いている。作品制作の傍ら、地方の芸術振興に力を貸す宮廻さんに、生徒や教諭らも感謝している。

 今井美術館で春にある再興院展に合わせ、2011年から毎年のように市内の小中学校を訪問。中学校は市内の全4校を一巡し、2巡目に入っている。

 絵画教室で宮廻さんは、既成概念にとらわれず楽しみながら絵を描くことの大切さから、「裏彩色(うらざいしき)」と呼ばれる自らの日本画技法の紹介まで、分かりやすい言葉で伝える。桜江中の非常勤美術教諭、渡部妙子さんは「天才少年ではなかったエピソードなどを聞き、生徒が芸術を身近に感じるきっかけにもなっている」と語る。

 今年は5月11日に江津中を訪れ、生徒ら約80人に、東京芸大が開発した最新の文化財複製技術「クローン文化財」を紹介。デジタル撮影や科学分析と、伝統的な手作業の彩色を融合させ、実物の色合いや質感を再現する技術について講話した。

 同校の美術教諭、岸本早代さんは「美術に対する視野が広がる貴重な経験になった」と振り返り、美術部長の甚田亜蘭さん(14)は「芸術を広める活動を長年続けていて、すごいと思う」と話した。

 宮廻さんは「若者に芸術の面白さを普及させるため、今後も絵画教室をできるだけ続けたい」と抱負を語った。

 宮廻正明展は24日まで。会期中は無休で、開館時間は午前10時から午後4時まで。料金は一般が千円、学生および18歳以下は無料。

2018年9月19日 無断転載禁止