チャレンジで人生開ける 洋画家・多納さん(大阪)桜江中で講演

寄贈した作品の前で、自らの人生について語りかける多納三勢さん(左)
 出雲市出身の洋画家、多納三勢(本名多納勢三)さん(79)=大阪府能勢町在住=が1日、江津市桜江町川戸の桜江中学校に作品を寄贈した。半世紀以上前に、美術教員として桜江町にあった旧川越中学校で教壇に立っていたのが縁。懐かしい土地を訪れた多納さんは全校生徒約50人の前で講演し、これまでの人生の歩みを振り返り、チャレンジの大切さを伝えた。

 多納さんは旧平田市に生まれ育ち、進学した島根大教育学部を経て、22歳の時に旧桜江町川越にあった川越中学校に美術教員として着任した。同校で1年半、教員生活を送るうち、絵画への思いが再燃し、大阪府内に移住。中学校や高校で指導しながら、画家として腕を磨いた。現在は美術団体・国画会の会員として、全国各地で個展を開くなど活躍している。

 親交が続いている川越中の教え子らに桜江町内での展覧会開催を打診され、同校が統合された桜江中に絵画を贈って若者に美術の世界に親しんでもらうことにした。屋久島(鹿児島県)の原生林をモチーフに2011年に制作した「森の人(3)」(縦約120センチ、横約90センチ)を寄贈した。

 講演で多納さんは、転機となった20代前後を振り返りながら、「『これでいいのか』と自分自身に問いかけた。みんなも何でもいいからチャレンジすることで、人生が開け、楽しくなると思う」と語り掛けた。

 3年で生徒会長の大屋颯太さん(15)は「素晴らしい絵をいただいた。これから長い間、絵が愛されるように大切にしていきたい」と感謝。大野淑子校長は「森や自然に恵まれたこの地にふさわしい絵。生徒の情操教育に生かしたい」と話した。

2018年10月2日 無断転載禁止