幕末の鳥取藩 浮き彫り 鳥取市歴史博物館で特別展

戊辰戦争に従軍した鳥取藩付属農兵隊「山国隊」の衣装など資料を眺める来場者
 幕末の鳥取藩の動きを紹介する特別展「鳥取の明治維新」が鳥取市上町の市歴史博物館で開かれ歴史ファンらを楽しませている。手紙や絵図など約100点を展示。藩主・池田慶徳が尊皇攘夷(じょうい)思想を持ちながら江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の実兄という事情から、新政府と幕府のはざまで揺れた藩の姿を浮き彫りにしている。11月11日まで。

 慶徳は、御三家の水戸藩主で尊皇攘夷論者の徳川斉昭の実子で、池田家養子。「尊皇敬幕攘夷」というあいまいな立場を取り藩内の内紛を生み、32万石の大藩のため動向を注視された。

 明治維新の流れをつくった長州戦争に鳥取藩は幕府方として参戦したが、長州藩が勝利。尊皇攘夷派の鳥取藩士が勢いづき、幕末の志士・坂本龍馬と親交を深めた。展示資料の龍馬の手紙は「北海道開拓に一緒に行かないか」と語り掛け、親密ぶりが分かる。

 明治維新の立役者の1人、西郷隆盛が岡山藩家老に宛てた手紙では「鳥取藩は勤王だと言うが一向に動かない。朝廷の味方なのか、様子をうかがっているのか」と、鳥取藩を味方に付けたい隆盛が気をもむ様子がうかがえる。

 明治維新を決定づけた戊辰戦争に鳥取藩は新政府方として参戦。一方で、慶徳は、慶喜が朝敵となったことを「身内の汚名」だと悩んで引退しようとし、後に首相となる西園寺公望が慰留した手紙も興味深い。

 観覧料500円で65歳以上と高校生以下は無料。会期中10月9、15、22、29日と11月5日は休館。

2018年10月6日 無断転載禁止