同郷・島根の縁に導かれ 女性日本画家2人展 11日から都内

初めての2人展に向けて準備を進める永岡郁美さん(左)と川崎麻央さん=東京・上野、東京芸術大
 東京を拠点に活動する日本画家の永岡郁美さん(31)=出雲市出身=と川崎麻央さん(31)=益田市出身=が11日から20日まで、東京・銀座のギャラリー「かわべ美術」で初めての2人展を開く。高校時代に県外の画塾で出会い、現在は共に東京芸術大(東京・上野)の職員として勤務。作風は異なるものの、「刺激し合ってきた特別な存在」と認め合う2人は開幕を心待ちにしている。

 芸術大への進学を目指していた2人は高校3年生の時、名古屋市内の画塾で偶然出会い、その後1年間の浪人時代も共に過ごした。永岡さんは多摩美術大、川崎さんは東京芸大に進学。2011年に永岡さんが同大名誉教授の宮廻正明氏(67)=松江市出身=が進めている最新の文化財複製技術「クローン文化財」の研究所に入ったことから再会した。

 永岡さんは現在、クローン文化財の研究員として同大で勤務する傍ら、文化財の修復技法を取り入れながら作品を創作。昨年、「第102回院展」に初出品し、見事入選した。川崎さんは、同大の研究助手として学生に基礎指導を行いながら、学内のアトリエで創作を続ける。幼い頃から親しんできた石見神楽を躍動感ある筆遣いと色合いで表現し、今年の「第73回春の院展」で奨励賞に輝いた。

 1年ほど前から構想・準備を進めてきた2人展は「石見のいろ 出雲のかたち」と題し、5~20号の作品をそれぞれ5点出品する。川崎さんは薄い石州和紙を材料に使い、紙の上の絵の具のにじみを生かして神楽の登場人物を描写。永岡さんは興味を持ちつつも描いてこなかった神話の題材に挑んだ。

 「形の捉え方が独特で、何を描いても、しっかりと永岡さんの絵になっている」と評す川崎さんに対し、永岡さんも「作風を大きく変えながらも、川崎さんが根幹で追い求めるものは画塾の頃からぶれていない」と互いを認め合う。

 縁に導かれて東京で再会し、共に日本画壇に挑む2人は「同郷だからこそ意識するし、思っていることを率直に言い合える」と口をそろえる。目標とする島根での2人展の実現に向け、これからも良き「戦友」として互いを高め合う。

2018年10月7日 無断転載禁止